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2023 年度 実施状況報告書

サルコペニアに着目した急性期脳卒中に関する前方視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K21262
研究機関日本医科大学

研究代表者

石山 大介  日本医科大学, 医学部, アシスタントスタッフ (30906110)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2025-03-31
キーワードサルコペニア / 脳卒中 / 急性期
研究実績の概要

本研究の目的は、急性期脳卒中患者におけるサルコペニア(骨格筋量および筋力が低下した病態)が、日常生活動作能力などの機能予後に及ぼす影響を明らかにすることである。
我々は、急性期脳卒中患者318例を対象に発症初期の日常生活活動能力と転帰先との関連を検討し、日常生活活動能力は転帰先に関連する重要な指標であることを確認した。
日常生活活動能力を向上させる方策として、急性期脳卒中患者306例を対象に、生体電気バイオインピーダンス法を用いて骨格筋を評価し、急性期病院入院中における日常生活活動能力の改善度との関連性を検討した。生体電気インピーダンス法における指標としては、骨格筋の量を反映した骨格筋指数、骨格筋の質を反映した位相角、細胞内外の体液分布を反映した細胞外水分比を挙げた。分析に際しては、年齢や脳卒中の重症度も考慮して検討した。その結果、日常生活活動能力の改善度に対して有意に関連する指標として、位相角と細胞外水分比が挙げられ、それぞれ基準値を下回る場合に独立した関連が認められた。
急性期脳卒中患者では、位相角に加えて細胞外水分比が関連した本研究結果は、日常生活活動能力の改善に向けたリハビリテーションに際して、体液の状態にも着目する必要性を示唆するものであった。また、脳卒中患者の詳細な骨格筋評価は有用なリハビリテーションに繋がる可能性が考えられた。
今後の研究の展開としては、バイオインピーダンス法による骨格筋評価に加えて、握力や身体パフォーマンス(立ち座り能力など)を評価し、サルコペニアの評価を実施するとともに、急性期病院入院中の検討にとどまらず、発症6ヶ月後の機能予後に及ぼす影響を調査したため、論文として報告する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19感染症拡大予防のため、データ測定者の人員配置に制限があり、研究体制の確立に時間を要したが、1年間のデータ収集、追跡調査を完了し、解析結果が得られている。

今後の研究の推進方策

脳卒中急性期のサルコペニアおよび体組成指標と発症6ヶ月後における日常生活動作能力の調査結果との関連を検討し、論文として報告する。

次年度使用額が生じた理由

論文の採択が得られておらず、オープンアクセス費用などの支出がなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Extracellular to total body water ratio is an index related to activities of daily living improvement in patients with acute stroke2023

    • 著者名/発表者名
      Ishiyama D, Toi K, Aoyagi Y, Suzuki K, Takayama T, Yazu H, Yoshida M, Kimura K
    • 学会等名
      World Stroke Congress 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 急性期脳卒中患者の自宅退院を早期に予測するためのFunctional Independence Measure得点のカットオフ値2023

    • 著者名/発表者名
      石山大介,戸井健之亮,青柳陽一郎,高山利之,矢頭瞳,吉田円香,鈴木健太郎,木村和美
    • 学会等名
      第60回日本リハビリテーション医学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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