研究課題/領域番号 |
21K21263
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
押川 智貴 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (80907171)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 腰椎椎間板 / MRI / 野球 |
研究実績の概要 |
腰椎椎間板変性は野球選手に好発し、重症化すると椎間板ヘルニアとなり、競技復帰まで長期間を要する。運動前後に磁気共鳴画像(MRI) 撮影を行い、運動による椎間板への負荷を非侵襲的に評価できる手法がある。その手法を用いて、各野球動作において、どの動作が最も椎間板変性に影響を与えているかを明らかにする研究を実施している。また、大きな腰椎伸展角度は椎間板への負荷を減少させ、腰椎伸展の保持には腰椎伸展筋群(体幹筋)の筋形態や動作時の筋動員が関連する。そのため、腰椎伸展角度・体幹筋形態・動作時の体幹筋動員の違いが、各野球動作による椎間板への負荷に影響を与えるのかを検証している。本研究は、椎間板へ大きな負荷を与える野球動作を明らかにし、野球選手の椎間板変性発症メカニズムを解明する一助になる。また、腰椎伸展角度・体幹筋形態・動作時の体幹筋動員の特徴が、野球動作による椎間板への負荷に与える影響を明らかにすることで、椎間板変性発症の予防方法を検証する今後の研究につながる。さらに、本研究で用いる椎間板への負荷の定量化方法を示すことで、椎間板変性が好発する他競技に関しても、この手法による検証が波及することが期待される。 対象は野球経験を有する健常成人男女11名とし、野球動作として反復性の投球・打撃・守備動作前後にMRI撮影を実施した。これまでの解析結果から、各野球動作によって椎間板に変化を示した対象者もいれば、大きな変化が無かった対象者もいた。対象者ごとの腰椎伸展角度・体幹筋形態・動作時の体幹筋動員の違いが、変化の有無の違いである可能性があり、今後解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに実験を実施し、良好なデータ収集ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り20名のデータ収集をするために、実験を継続する。また、収集済みのデータを解析して、学会および論文発表のための準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学からの研究費で必要物品を購入できたため物品費の支出が無く、また新型コロナの影響で学術集会がオンライン開催になったため旅費の支出が無かったことで余剰金が生じた。 2022年度は実験を引き続き実施するため、2022年度の助成金と共に、謝礼金やMRI装置利用費用として使用予定である。
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