研究実績の概要 |
2019年4月~2019年12月までに協力施設で撮影された計367,636症例の胸部単純X線画像の収集を完了。あわせて、約10,800例の呼吸機能データを取得。初期のデータベースが完成した。 肺年齢の推定の前に、上記のデータベースの症例のうち、施設内の立位専用台で撮影された胸部単純X線画像106,519症例(データベース1)を使用して、胸部単純X線画像から実年齢を推定するDeep Learning(DL)を構築した。DL学習用74,563症例、評価用31,956症例に分類し、学習用症例に対し、6層のコンボリューション層および5層の全結合層によるDeep Convolutional Neural Network(DCNN)を構築したところ、AIによって推定された年齢と実年齢の相関が、r=0.925(p<0.001)となることが確認できており、高い相関を得ることができた。また、この結果をパブリックデータベース(ChestXray8)のNo Findingsにカテゴライズされる60,361症例(データベース2)を用いて評価したところ、相関がr=0.536まで劣化した。これは、主に、上記2つのデータベースが、画質が管理された立位専用装置のみのデータベースとポータブル撮影を含むデータベースという画質の違いが大きいと考えられる。この結果に対し、データベース1で学習したデータを用いた転移学習を行うことにより、データベース2の実年齢とAIによって推定された年齢がr=0.842まで改善することを確認した。この結果は、第78回日本放射線技術学会総会学術大会(2022年4月14~17日)にて報告を完了した。
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