研究実績の概要 |
胸部単純X線画像に関し、2022年度に386,950症例を新たにデータベースに追加し、計743,586症例の大規模データベースを構築した。また、スパイロメトリー検査データに関しても計60,272件のデータを収集し、データベース化を完了。これらのデータは協力施設2年分のデータであり、繰り返し受検者が多いため、同一被検者の経年変化の研究にも発展可能な貴重なデータベースが構築できた。これらのデータベースを用いて複数のAIモデルの構築を行う研究を行い、実年齢の推定、および、呼吸機能(FEV1、努力性肺活量)の推定に関し、高い相関を得た。特に、呼吸機能を推定する研究において、従来、形態的な異常を検出するために撮影されてきた胸部単純X線画像において、呼吸機能に関する情報も保有している可能性が示唆され、興味深い結果を得ることができた。これにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期検出、早期治療につながることが期待される。 研究の成果は、第78回日本放射線技術学会総会にて、タイトル「胸部単純X線画像を用いた年齢推定AIにおける転移学習の効果」として、第194回医療画像情報学会にて、タイトル「胸部 X 線画像から呼吸機能を推定する AI の開発」として、2022年度北米放射線学会(RSNA)にて、タイトル「Feasibility of artificial-intelligence-based prediction for respiratory function using chest radiograph」として発表した。 これらの成果をまとめた論文を作成中である。
|