大学生のスポーツボランティアに対する他律的な認識の形成理由について、「学校教育の影響」、「メディアの影響」、「日本人の風土の影響」の3つの仮説を立て、調査を実施した。2021年度は、「学校教育の影響」、「メディアの影響」に着目したところ、学校教育とメディアの影響により、スポーツボランティア活動に対して、他律的な認識を有した可能性があることが示唆された。 2022年度は 「日本人の風土の影響」に着目し、アメリカと日本の大学生のスポーツボランティア活動に対する認識について、アンケート調査による比較研究を行った。その結果、主に以下の3点が明らかになった。 1.日本の大学生はアメリカの大学生と比べて、スポーツボランティア活動への意欲が低いことが明らかになった。 2.スポーツボランティア活動に対する他律的な認識は、日本の大学生と同様にアメリカの大学生も有していることが明らかになった。 3.アメリカの大学生は、日本の大学生よりもスポーツボランティア活動をポジティブに捉えていることが明らかになった。 したがって、本研究では、スポーツボランティア活動に対する参加への意欲が日本の大学生とアメリカの大学生で異なることが明らかになった。一方、他律的な認識に関しては、両国の大学生で大きな差異は見受けられなかった。これらの研究成果は、国内誌に投稿し、現在査読を受けている。また、研究成果の一部データを用いて、後日口頭発表を行う予定である。
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