本研究は、新規細胞死機構のフェロトーシスに着目し、サルコペニアとの関連性を明らかにすることを目的とした。まず、加齢動物モデルの骨格筋ではフェロトーシスの関連分子であるグルタチオン還元酵素(Gpx4)が若年動物モデルと比較してタンパク質レベルで有意に減少することを明らかにした。つぎに、Gpx4の全身過剰発現モデルを用いて加齢時の筋量・筋力を測定したところ、GPx4過剰発現マウスや過酸化脂質を抑制するペプチドを投与したモデルでは骨格筋量と筋力は野生型や通常の加齢動物モデルと比べて高値を示した。以上の結果から、フェロトーシスがサルコペニアの一因であることを明らかにした。
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