研究実績の概要 |
二人完全情報ゲームにおいては無尽蔵の計算資源があればお互いが最善を尽くした際の勝敗を計算できることが知られている. 本研究課題では不完全情報ゲームにおいて, 完全情報化をはじめとする情報の不完全度の変更を行い,同一のゲームについて情報量が異なる階層での事例研究を行い, 二人ゲームの最善プレイの勝者判定における「情報が不完全ゆえの難しさ」の解析を行うことを最終目標し, その一段階目として,特定ゲーム下での情報量の違いに基づいたゲーム解析を行うことを目的としたプロジェクトである. 本年では事例研究として, 2022年度までに研究を行った完全情報化に関する論文投稿及び, それに伴う関連文献の再調査を中心に行った他, 当初の与えられた情報がゲームで解く上で完備であるかの判定問題に今年度より取り組み, 情報収集及び簡易的なゲームやパズルを題材にした取り組みを行った.パズルに関する取り組みは当初の想定にはなかったものの, ゲームと似ている部分がある一方で, 意思決定主体が一人であることにより, 解析が簡易化することが予想されたため, 取り組むことになった. 結果として, 情報の不完全さの影響に関する幾つかの興味深い研究成果を出すことができ, 国際会議IJDCGGGでの発表を行うなどの一定の成果を出すことにつながった他, 引き続き本題材に取り組んでいる.これらの結果に関しては現在はまだ論文投稿には至っていないものの, 2024年度も本課題に取り組み, 2024年度中の論文投稿を目標とする.
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