研究課題/領域番号 |
21K21286
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山藤 浩明 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (40830906)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
キーワード | コンピュータビジョン / 3次元形状復元 / 照度差ステレオ / 多眼ステレオ |
研究実績の概要 |
本研究課題では,観測視点及び光源環境を変化させながら撮影した多視点・多光源環境下での観測を用いて,対象物体の高精細な3次元形状を獲得することを目指している.
本年度は,多視点観測から得られる幾何的な拘束条件と,多光源観測から得られる測光学的な拘束条件を,統一的に扱うための形状表現に関して検討を行った.とくに多光源観測からは,測光学的な3次元形状復元手法のひとつである照度差ステレオ法を用いることで,物体表面の傾き,すなわち表面法線に関する制約が得られる.照度差ステレオ法には,観測画像と同等の高解像度な推定が可能という利点があり,得られた高解像度な法線情報を十分に表現できる形状表現手法が求められる.本年度はこの観点から,陰関数表現(Implicit surface representation)及び陽な形状表現(Explicit surface representation)という2つのアプローチについて提案と検証を行った.また,提案手法を用いて推定した3次元形状情報を,バーチャルリアリティ(VR)などの実用的なアプリケーションで活用することを想定すると,一般的なレンダリングソフトウェアなどにおいて扱いやすい形状表現が求められる.今後はこうした観点も含めて検討を行う予定である.
また,対象物体を多視点・多光源環境下で撮影するためには,稼働装置と光源装置を組み合わせた撮影装置が必要となる.本年度は撮影装置の開発及び試作を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幾何的な拘束条件と測光学的な拘束条件を統一的に扱うための形状表現手法に関して一定の進捗があった.また,撮影装置の開発も順調に進んでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の検討に基づいて,高精細な形状を高精度に推定可能な手法の実現を目指す.また,開発した撮影装置で収集した実観測データを用いた評価などを予定している.
|