研究課題/領域番号 |
21K21300
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
青木 俊介 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (20910475)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | 協調センシング / 自動運転 / 車両通信 / 情報圧縮 / 連合学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、自動運転車・コネクテッドカーとスマートシティを支えるIoT基盤の間でセンサ情報を分散的に共有・活用する協調センシング(Cooperative Perception)を実現するための情報圧縮・融合技術の設計・開発に取り組んでいる。自動運転車・移動ロボット等を実社会で安全に活用するためには、カメラやLiDARをはじめとしたセンサの死角空間からの情報取得が非常に重要である。協調センシングでは、複数の移動ノードのセンサ情報をリアルタイムに共有することで、安全性の向上を実現する。一方、限られた通信資源・計算資源が大きな技術的制約となるため、潜在的な受信ノードが「どの情報を」「どのタイミングで」必要とするかを送信ノード側で推定する手法の開発に取り組んでいる。本年度は特に移動体の安全性担保に必要な死角からの情報粒度・種類の定義を行った。この中で、「情報の洪水」や「嘘情報の流布」を防ぐデータ共有機構を設計・開発し、オープンソースのCARLA上に実装して評価・実験を行った。また連合学習を用いた協調センシングにおける通信・計算資源最適化にも取り組んでいる。この研究手法はCARLAに加えてネットワークシミュレータSUMOを用いて評価実験を行っている。 まず、本研究では移動体の速度・加速度・物理的制約に基づいた安全性担保の理論化を行った。これは冗長な情報を協調センシングで扱わないためにも必要不可欠である。今後は協調センシングにおける連合学習に必要な計算資源・計算時間の評価実験を行い、物理世界での実装を進める上での課題を抽出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で得られた実験結果・知見をもとに国際会議で発表を行ったほか、国際ワークショップの招待講演の中でもすでに対外発表を行っている。このため本研究プロジェクトの進捗は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は協調センシングの最適設計に取り組むと共に、連合学習を用いた協調センシングにおける通信・計算資源最適化に取り組む計画である。特に連合学習の学習プロセスでは多大な計算資源・計算時間を用いるため、最適化が非常に重要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で申請時に想定した旅費・人件費などを使う局面が少なかったため。
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