本研究課題では、自動運転車・コネクテッドカーと都市IoT基盤の間でセンサ情報を分散的に共有・活用する協調センシング・Cooperative Perceptionに関する研究・開発に取り組んだ。自動運転車・自律移動ロボット等を実社会で安全に活用するためには、センサ機器の死角空間からの情報取得が不可欠である。協調センシングを用いることで、複数の移動ノードのセンサ情報をリアルタイムに共有することが可能となり、移動体の安全性を向上させることができる。一方、限られた通信資源・計算資源が大きな技術的制約となるため、潜在的な受信ノードが「どの情報を」「どのタイミングで」必要とするかを送信ノード側で推定する必要がある。 本研究ではまず死角からの情報粒度・種類の定義を行い、次に「情報の洪水」や「嘘情報の流布」を防ぐデータ共有機構 を設計・開発し、シミュレータ・実機への実装・評価実験を行った。本評価実験ではまず車両シミュレータ CARLAと通信ネットワークシミュレータSUMOを用いて実験を行い、次に実際の交差点と無線機・自律移動ロボッ トを用いた実験を行った。本研究成果・実験結果は国際マガジン誌・国際学会などで外部発表を行った。本研究課題の遂行によって、自律移動ロボットのセンサ情報共有基盤を構築することができた。本基盤ソフトウェアを用いることによって、T字路・十字路などの死角のある場面でも衝突・デッドロックを避けながら安全に屋内移動ロボットを利活用することが可能となる。
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