研究課題
2022年度はAIモデルのハードウェア化とロボット応用に取り組んだ.AIモデルのハードウェア化では,前年度に開発したAIモデル(時定数が異なる複数のレザバーを組み合わせて,異なる周波数を持つ様々な入力に対して柔軟に対応するモデル)をスルホン化ポリアニリンネットワークによるレザバーデバイスを用いて実装した.ここでは,実装したモデルがソフトウェアで実装したモデルの性能には及ばないものの,レザバーを有さないモデル(線形モデル)より高い性能をもつことを示した.ただし,ハードウェア化による性能の悪化はレザバーデバイスの計測機器のノイズによる影響が大きく,回路実装によって改善できるものと考えられる.ここで得られた成果は,回路とシステムのフラグシップ会議であるIEEE International Symposium on Systems and Circuits 2023に採択され,次年度に報告予定である.ロボット応用では,柔軟触覚センサ搭載のロボットハンドを用いて物体を正しく掴んだときの触覚情報を記憶し,新たに物体を掴むときに得た触覚情報が記憶にあるものと同じかどうかを判断することで,物体を想定通りに掴めているかどうかの検証に活用するシステムを開発した.ここで得られた成果は第40回日本ロボット学会学術講演会にて報告済みである.研究期間全体をまとめると,ロボットの身体から得られる個々の情報を記憶し,想起する機能をもつAIモデルの考案とハードウェア化を完了し,ソフトウェアによる検証に止まってはいるが,ホ―ムサービスロボットへの実装・検証も完了した.
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Applied Physics Express
巻: 16 ページ: -
10.35848/1882-0786/acae6a
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 13 ページ: 397-402
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