| 研究課題/領域番号 |
21K21338
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| 研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
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研究代表者 |
野田 祐作 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 研究員 (40865838)
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| 研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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| キーワード | RIイメージング / ポプラ / セシウム / 葉面吸収 / 季節変化 |
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| 研究実績の概要 |
原発事故由来の放射性セシウム (Cs) は樹木内に侵襲後、季節に応じた栄養元素の循環・再分配に組み込まれたため樹木内に長期間留まっていたと考えられた。今後起こり得る類似の事故に対して正確なリスク評価を行うためには、樹木内のセシウム動態の全体像を理解する必要がある。そこで本研究は、オートラジオグラフィーとポジトロンイメージング技術（PETIS）を駆使し、樹木ポプラのセシウム動態とその季節による変化を可視化する。具体的には、半減期の長いCs-137 (30.1年) を用いて四季それぞれのセシウム動態の静的データを収集する。次に半減期の短いCs-127 (6.25 時間) を用いて、各季節における輸送速度や優先してセシウムが再分配される器官等、セシウム動態の季節による変化の詳細を観察する。四季によるセシウム動態の変化の全体像を構築し、外環境の樹木内の放射性セシウム動態予測に資する。
2021年度は、PETISによる樹木ポプラにおけるセシウム動態の可視化を実施した。実験室規模にまで小型化されたポプラを供することで、その大きさ故にこれまで見ることのできなかった樹木のセシウム動態の可視化を試みた。同日にサイクロトロン加速器にて製造・精製したCs-127を葉面に塗布し夏条件下のセシウム動態を3日間撮像した。その結果、葉から葉柄を介して主茎まで輸送されるCs-127動態を捉えることができた。だが、短半減期による放射線検出限界のため、30時間後の動態は不明瞭であった。セシウム動態を明瞭にするために放射線強度や処理方法の検討が必要となった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポット栽培のポプラの葉面に高強度のCs-127を処理する実験手法の改良が必要であるため、また課題開始当時にすでにサイクロトロン加速器の利用が1日のみと決定していたため、やや遅れていると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度では、Cs-127の放射線強度や処理方法を検討し、PETISを用いて樹木ポプラのCs-127動態を撮像する実験系を確立する。
上記の検討と並行して、Cs-137（購入RI）を用いたオートラジオグラフィーにて四季の葉面吸収の静的画像を収集する。
オートラジオグラフィーにてセシウム動態が変化した時期を見出し、PETISによりセシウム動態の季節による変化の詳細を記述する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当研究課題開始時点で、サイクロトロン加速器の利用枠がすでに決定していたために実験を複数回実施することができなかったため。次年度使用額は研究資材の購入や、旅費、論文投稿費等に使用する。
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