研究課題/領域番号 |
21KK0003
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
小林 仁 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 課長代理 (00373522)
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研究分担者 |
鄭 銀珍 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 主任学芸員 (20531263)
村串 まどか 筑波大学, 人文社会系, 特別研究員(PD) (20868880)
阿部 善也 東京電機大学, 工学研究科, 助教 (90635864)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | 天目茶碗 / 宋代 / 建窯 / 中国 / 伝世品 / 理化学分析 / 出土品 / 東アジア |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、中国と韓国の考古発掘出土資料の調査研究を通して、①日本、中国、韓国の研究者による宋代天目茶碗の学際的な国際共同研究の基盤構築を目指し、②日本に伝世する天目茶碗の新たな意義や価値の認識による東アジア的視点での再評価を進め、③伝世の天目茶碗の世界的宝庫である日本の当該研究分野におけるリーダーシップと知的プレゼンスの向上を図り、④日本所在文化財の国際共同研究の一つのモデルとして、国際的に活躍できる研究者の養成につなげることを目的とする。 今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により現地での調査研究ができない状況であったが、海外研究協力者との連絡調整、国内での文献資料やデータの収集や整理、国内伝世品・出土品の調査、サンプル陶片等の理化学分析、関連研究者らとの情報交換、調査用機器の調達など、今後の現地での出土資料の調査研究に向けての準備作業を推進した。 そのうち、サンプル陶片等の理化学分析は、研究分担者の協力により、建窯で採取された陶片サンプルについて海外での調査に用いる予定の可搬型蛍光X線分析装置を用いた非破壊の化学組成分析を実施し、胎土と釉薬とも先行研究にある建窯出土陶片の組成データとの基本的な一致を見た。また、一部サンプルについては非破壊で粉末X線回折測定を実施し、胎土部分ではカオリナイトなどの粘土鉱物や石英、クリストバライトが、黒色釉部分では酸化鉄(マグネタイト、ヘマタイト)を同定できるなど、今後の現地での調査研究を行う上での事前の基本データを蓄積することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、中国や韓国への渡航、調査出張ができず、本研究課題の核心部分である現地機関での出土資料調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き国内での文献資料やデータの収集や整理、国内伝世品・出土品の調査、サンプル陶片等の理化学分析など現地での出土資料の調査研究に向けての準備作業を進めるとともに、国内での関連作品や資料についても積極的に調査を行う予定である。これにより、今後の現地出土資料の調査研究を効果的に進め、国内伝世品や出土品との比較研究にもつなげていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、中国や韓国への渡航、調査出張ができず、本研究課題の核心部分である現地機関での出土資料調査が実施できなかったため。 次年度以降、海外渡航が可能となり、現地調査機関での調査研究ができる状況となった際に、今年度未執行分の調査をできればと考えている。
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