研究実績の概要 |
日本,アメリカ, フランス間での国際共同プロジェクトである本研究では, 単語レベルの音素情報理解と文レベルのプロソディー情報理解でどのような予測的処理が行われているか. また, 日本語とフランス語という異なる言語を母語とする英語学習者の英語音声文理解を観測することで母語の語順と音声情報が第二言語の理解にどう影響するかを明らかにするための眼球運動計測実験を行っている. 令和3年度10月から3月の間に, フランス語・イタリア語のミニマルペアを用いた単語レベルの予測的処理の実験準備を始めた. 単語レベルの音素情報理解を明らかにするため, イタリア語のgeminate/singletonを持つ単語のミニマルペア20ペアとともに2つの無関係な単語の4つをスクリーンに提示し, 被験者(パリ在住のイタリア語母語話者40人)が指示を聞いて正しい単語をクリックする間の眼球運動を計測する実験を計画している. 本年度は, フランス語・イタリア語での実験のターゲットとして用いるgeminate/singletonのミニマルペアを選出し, 無関係な単語を含めた4単語の出現頻度を統一したアイテムの選出を行なった. 文レベルの処理を対象にした研究では, 日本語とフランス語を母語とする英語学習者を対象に(1)と(2)の文構造とプロソディー情報を用いた実験を行った. 現時点では被験者の数が必要数に達していないが, 今後データ数が増えることで母語話者と学習者の間に見られる結果の違いが母語に関わらず第二言語学習者全体に見られるものなのか, 母語転移の影響によるものなのかの分析を行う. (1)Tap (%) the frog (%) with the flower. (2)First, hang the green ball. Next, find the BLUE(L+H*) ball.
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