研究課題/領域番号 |
21KK0011
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
古田 雅一 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (40181458)
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研究分担者 |
松下 正和 神戸大学, 地域連携推進室, 特命准教授 (70379329)
安藤 太一 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90850131)
朝田 良子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (60546349)
久米田 裕子 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員教授 (10250317)
片岡 憲昭 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部技術支援部計測分析技術グループ, 副主任研究員 (20757380)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | ベトナム / グエン王朝 / 版木 / X線 / カビ汚染除去 |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍が終焉し、日本とベトナムとの間の交流が正常化したため、ベトナム側の研究者との研究交流を再開させ、低エネルギーX線殺菌の研究をGAFクロミックフィルム線量計によるX線の線量測定とカビの培養、X線照射後の生残率の測定に付いてベトナムダラット大学生物学科の大学生へ現地において指導し、有用なデータを得ることができた。 すなわち、古文書から分離されたカビのなかから抗菌試験のモデル菌株として汎用されているAspergillus niger、60Coガンマ線に対して高い抵抗性を示したCladosporium cladosporioidesを用いてガンマ線と低エネルギーX線の照射効果を比較し、線量が同じであれば菌体の生存率は低エネルギ‐X線とガンマ線との有意な差はみられず、同等の殺菌効果が得られることがわかった。さらにC. cladosporioidesを用いて水害を受けた書籍や古文書類の除染に用いられる凍結乾燥やエタノール処理とガンマ線照射の併用殺菌効果について検討を開始した。江戸時代の和紙の製法を模擬した和紙上の菌体の平板培地上でのコロニーの増殖度の変化から凍結乾燥やエタノール処理とガンマ線照射の併用による殺菌の促進の可能性が示唆された。以上の知見も含めた国際共同研究の成果とベトナム側の調査状況を双方で共有することを目的としてた合同シンポジウム「DLU‐OMU Symposium on "Preservation of Cultural Heritage Using Ionizing Radiation Technology"」を10月3日ダラット大学にて開催し、今後の共同研究の進め方について議論した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度はコロナ禍も終焉し、ベトナム側との研究協力が回復し、ベトナム側との研究技術交流、グエン朝時代の版木の保存状況の調査、二国間シンポジウムの開催など一定の成果が得られたが、ベトナムの文化財保存の状況を包括的に把握するには至っておらず、さらに一歩進んだ調査とそれに基づく共同研究の進展が求められるため。そのために更に市年の研究期間延長を申請し、認められたところである。
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今後の研究の推進方策 |
前項でも述べたように認められた延長期間内にベトナム国内の版木を含めた文化財の保存状況の調査を行い、同時に前年度までに確立した滅菌線量を求めるための実験技術のダラット大学の関係者への指導を通じてさらなる高度化と汎用化を測りたい。さらに共同研究のシーズを見つけていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために予定していたベトナム国内での調査と共同実験が不十分で今年度に置いても充足することができなかった。今年度は予定通りベトナムダラット大学との共同シンポジウムを成功裡2開催できたが、双方の努力の結果、予定していた予算よりも経費がかからなかった。これらの余剰費用は延長が許可された次年度において残りの調査と共同実験、指導に必要な物品費、旅費、準備に必要な人件費として活用する予定である。
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