研究課題/領域番号 |
21KK0028
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松本 秀暢 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (70294262)
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研究分担者 |
吉田 雄一朗 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (70339919)
福井 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00304642)
堂前 光司 関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (80824705)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | 航空市場 / 環境規制 / 環境コスト / COVID-19感染リスク / ポスト・コロナ社会 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究課題は、これからの「航空ネットワーク形成とハブ配置問題」を解明するために、大きくは「航空部門における環境規制」と「ポスト・コロナ社会における航空輸送体制」の2つの観点から取り組むものである。
2021年度(1年目)は、本国際共同研究課題の事前準備と位置付けた上で、日本側研究者4名と海外共同研究者1名によるオンライン会議を開催しながら、まずは、本国際共同研究課題の目的と実施計画の共有化を図ると同時に、各研究者による役割分担の明確化を行った。
次に、日本側研究者4名が担当する各研究項目に関連した先行研究のレビューを行った。具体的には、「航空部門における環境規制」については、ヨーロッパ地域における「EU域内排出量取引制度(EU-ETS)」、および国際民間航空機関(ICAO)による「市場メカニズムを活用した温室効果ガス削減制度(GMBM)」に関する調査を行うと同時に、「航空部門における環境」に関連した国内外の先行研究について、それらの収集と整理を行った。そして、「ポスト・コロナ社会における航空輸送体制」に関しては、旅客輸送における新型コロナ・ウイルス感染症(COVID-19)の感染リスク拡大に伴う社会的費用、および貨物輸送における自然災害に対するリスク・ヘッジ(事業継続計画(BCP))に着目しながら、ヨーロッパ地域を対象として、「都市集中と都市分散」、「高速鉄道と企業活動の空間分布」、および「航空輸送拠点と企業集積」に関連する調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度(2021年度(1年目))は、実質的には5ヶ月(2021年11月-2022年3月)の研究期間であり、かつ、対面による研究活動は認められていなかったことから、オンラインによる打合せと議論が中心であったが、本国際共同研究課題の「目的と実施計画の共有化」および「各研究者の役割分担の明確化」を行い、「先行研究のレビュー」にも取り組むことができた。
以上の理由から、本国際共同研究課題の現在までの進捗状況は、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(2021年度(1年目))の研究成果を踏まえた上で、まず、次年度(2022年度(2年目))では、海外研究機関からOAGデータの提供を受けて、アジア地域発着の路線別/航空企業別の便数および座席数に関するパネル・データを構築し(基礎研究)、併せて、ヨーロッパ地域の航空部門における環境規制の動向を調査する(動向調査)。次に、2023年度(3年目)では、構築した基礎的データ・ベースと海外研究機関が開発したCO2排出量計算モデルを基に、アジア地域発着の路線別/航空企業別のCO2排出量を推定する(現状分析)。そして、2024年度(4年目)では、アジア地域発着の路線別/航空企業別のCO2排出量の推定結果を踏まえて、路線別/航空企業別の環境コストを算定する(実証研究)。さらに、2025年度(5年目)では、既存の研究分野で蓄積された分析手法を適用・拡張・融合しながら、環境コストを内生化した航空ネットワーク形成とハブ配置の学際的モデルを開発する(理論研究)。最終的には、アジア地域における最適な航空ネットワーク形成とハブ配置を明らかにした上で、我が国の国際空港政策に対する中長期的な戦略的提言を行う(政策提言)。
次年度(2022年度(2年目))においては、航空環境研究における国際拠点の1つである海外の研究機関(クランフィールド大学(イギリス))に、研究代表者と若手研究者が直接出向き、上記で述べた次年度(2022年度(2年目))の研究課題に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 本年度(2021年度(1年目))は、全額を物品費に計上し、今後、各研究者が共同研究で使用するパソコンの購入を予定していたが、次年度(2022年度(2年目))に、本国際共同研究課題を遂行する上で、より適切なパソコンが発売になる予定であったため。 (使用計画) 上記の通り、次年度(2022年度(2年目))に適切な執行を行い、本国際共同研究課題の遂行に取り組む。
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