研究課題/領域番号 |
21KK0034
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 康之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50553434)
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研究分担者 |
棚橋 沙由理 筑波大学, 教育推進部, 准教授 (20834930)
中西 もも 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40869450)
田上 遼 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (20887715)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | 生命科学 / STEM / 体験型実習 / 科学リテラシー / 科学コミュニケーション |
研究実績の概要 |
近年、米国発のSTE(A)M教育に関する研究がますます盛んに報告されるようになってきた。イノベーションを牽引する次世代の人材育成の必要性の高まりを受けて、わが国の高等学校の新学習指導要領にも「理数探究」が盛り込まれる運びとなった。このような潮流のなかで、科学リテラシー教育も並行して実施されなければならないが現在のところ、日本のフォーマル教育の文脈に合わせてプログラム化された取り組みは、ほとんど報告されていない。そこで申請者らは、理科教科のなかで履修率の高い「生物基礎」に着目し、生命科学の体験型学習プログラムおよび教材・コンテンツ開発を通じて、日米間の共同研究により科学リテラシー育成手法の共同開発をおこなうこととした。 2021、2022年度と、米国での体験型学習プログラムの学習効果の検証および生命科学リテラシー調査を中心に進めることを計画していたが、COVID-19による活動制限のため渡航計画を断念せざるを得なかった。そのため、日本での体験型学習プログラムの実施を先行させることとした。2021年度に引き続き、高校での遺伝子組換え実験実施に向けて、高校教員向けの実験指導プランの策定を行い、数校を対象とした実施を行いプランの改訂を随時行った。また、高校生を対象とした実習の実施を2021年度よりも拡大することができた。これは、教員に対する研修プログラムの改良ならびに高校での実験実施に係る問題点の洗い出し法の確立やロジスティクスの最適化などによるところが大きい。加えて、国内の高校教育関係者からの情報収集を進め、通常の高校における体験型実習機会の少なさやその原因について把握が進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、国ごとに異なる文化や法律などの背景をもとに、各地域においてどのように体験型実習が行われており、またどのように最適化ができるのかを探る国際比較研究である。本来であれば、共同研究の相手国である米国を訪ね、実地調査や質問票による調査を行う予定であった。しかしながら、COVID-19により海外での調査活動に制限があり、当初計画していた研究の一部は実施できていない。 その一方、新たな実験プログラムの開発や高校での体験型実習の実施においては、当初予定以上に進んだと言える。そのため、「やや遅れている」という判断が妥当と言える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、当初計画にある米国での調査研究を進める。米国は日本と異なり、遺伝子組換えに関する法律的制限がない。そのため、体験型実習の内容自体は日本の高校で一般に行われている内容より進んでいることが考えられる。一方で、日本において公立高校が充実しているのに対して、米国では高校ごとで経済的格差が大きいという予備調査結果が得られている。そのため、日本、米国の両方において同じ調査項目を持つ質問票を用いた調査を展開することにより、体験型実習を実施するうえで制約となる要因について詳らかにする。加えて、それら制約下でもより効率的に行うことができる実験プロトコルの開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により海外での調査活動に制限があり、当初計画していた研究のうち、米国での実地調査などが実施できなかった。2023年度はCOVID-19による行動制限が解除されるため、これらの研究を進めるだけでなく、加速させることが可能であると考えている。
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