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2023 年度 実施状況報告書

アフリカにおける数学カリキュラムの内発的開発と制度化に関する国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0038
研究機関広島大学

研究代表者

馬場 卓也  広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (00335720)

研究分担者 中和 渚  関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (00610718)
日下 智志  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (00909591)
渡邊 耕二  宮崎国際大学, 教育学部, 教授 (30736343)
高阪 将人  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (50773016)
研究期間 (年度) 2021-10-07 – 2026-03-31
キーワード算数ニューメラシ / 10進位取り記数法 / 現地文脈 / 表現形式 / パターンと構造 / 診断的評価法
研究実績の概要

本研究は、ザンビア児童の初等算数能力(ニュメラシー)に関する研究である。広島大学では、院生をJICAボランティアとして現地学校に派遣するザンビア特別教育プログラムを2002年より実施しており、本研究では、プログラム実施の過程で得られた研究の着想(極度な低学力への診断的評価アプローチ)と、ザンビア大学チームとの共同研究によって支えられている。第一フェーズは2018年から2021年にかけて100までの数の認識と計算について調査を行った。その成果を踏まえて、第二フェーズでは2021年から2025年まで実施中である。今回の診断的評価アプローチは、1000までの自然数概念と四則演算、小数第一位の数概念とそれらの四則演算を対象としている。それらは、高次の数学(線形性、連続性、関係的理解)に向けた次の一歩として、中核概念(十進法の階層構造、比例的関係、連続性)の展開に取り組むことである。タスクは大きく3つに分けて、数概念及びその表現、大小比較、計算とその意味として行っている。
2023年度は、2023年9月に第三回現地調査、2024年3月(4月まで継続)に最終段階の事前調査を行った。その間、2023年11月にはザンビアチーム3名と、SEAMEO-RECSAMから1名の研究者を招聘し、広島大学にてザンビアニュメラシー調査に関する国際セミナーを行った。ちょうど同時に、JICA算数カリキュラム研修を実施しており、ガーナ、フィリピン、南アフリカなどからの算数カリキュラム開発関係者も参加して、初等算数カリキュラム、評価の在り方について意見を交換した。それらを経て評価ツールの完成版をまず作成した後、介入教材、教師用ガイド、事前事後評価テストを12月から3月にかけて作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年1月から2月にかけて現地で感染症の流行から、本研究では2か月弱予定をずらす必要が出てきた。ザンビアでは9月以降、実質的に教育活動が行われないため、事後評価までを2024年8月までに終了する予定で進めている。ぎりぎりの状態で進めているが、これまで培ってきた研究チームの能力や団結力から、2024年度中に現地調査を終えることは可能と考えている。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2023年度に事前調査として収集したデータに引き続き、4、5月に教授的介入を行い、6月末には事後調査を行う予定である。7月に国際学会(ICME)での発表を予定しており、その後は収集データの精査、分析を行う。また、本国際共同研究は、ザンビア大学、ザンビア教育省と研究を行ってきており、2025年3月には研究成果を公表する場を設けることでこれらの機関、そして広くザンビア教育界に働きかける計画である。
2025年度は、論文執筆を主とする。また貴重なデータを集めており、ザンビア大学、ザンビア教育省によって高く評価されているので、オープンデータや教科書作成など、さらなるデータの有効活用を検討しているところである。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額(1247988円)が生じた理由は、研究対象地域であるザンビア国で感染症(コレラ)流行により、学校の新学期開始時期が通常の1月初旬から2月中旬に変更となり、年度末に予定していた事前調査および介入活動が二か月弱遅れ、一部活動を次年度に繰り越す必要が出たためである。
そのため、次年度使用額については、年度初めに集中して、繰り越した活動に使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] An Assessment of the Challenges Affecting Students’ Conceptual Understanding of Algorithmic Thinking: The Case of Senior 3 Students in a Rwandan School2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Oka, Jean Piere Nsengimana, Francois Maniraho, Takuya Baba
    • 雑誌名

      the Rwandan Journal of Education (RJE)

      巻: 6(2) ページ: 165-183

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Local competence and model eliciting activities2023

    • 著者名/発表者名
      Baba, T.
    • 雑誌名

      AIP Conference Proceedings

      巻: 2733(1) ページ: 030010

    • DOI

      10.1063/5.0160578

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 内発的発展の観点からのJICA教育協力案件の再考 ―ケニア中等理数科教育強化計画の事例から―2023

    • 著者名/発表者名
      池田亜美, 日下智志, 馬場卓也
    • 学会等名
      アフリカ教育学会第31回大会, 神戸大学
  • [学会発表] Local expert and local professional knowledge for a process of social and institutional transition in mathematics education2023

    • 著者名/発表者名
      Takuya Baba
    • 学会等名
      ICDME-Tsukuba Conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ザンビア共和国の初等教育における児童の計算方略に関 する研究2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊耕二、高阪将人、中和渚、日下智志、馬場卓也
    • 学会等名
      アフリカ教育学会第31回大会、神戸大学
  • [学会発表] Progression to Linear Functions from Primary School: Comparing the Intended Curricula of Four Sub-Saharan African Countries2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Oshima, Satoshi Kusaka
    • 学会等名
      International Cooperation Development in Mathematics Education Discussion Group (ICDME)
    • 招待講演
  • [学会発表] Numeracy Skills in Primary School Education in Zambia: Secondary Analysis of JICA Numeracy Project Data2023

    • 著者名/発表者名
      Koji Watanabe, Nagisa Nakawa, Masato Kosaka, Satoshi Kusaka, Takuya Baba, Mungalu Arthur
    • 学会等名
      Japan Academic Society of Mathematics Education (JASME) 59th Conference(於福岡教育大学)
  • [備考] Zambia Numeracy Competence Assessment Project

    • URL

      https://zambia-numeracy.hiroshima-u.ac.jp/

  • [学会・シンポジウム開催] 国際研究集会「算数ニュメラシー診断評価」2023

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公開日: 2024-12-25  

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