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2021 年度 実施状況報告書

超低温パルス磁気共鳴法の開発と希薄ドープ半導体を用いた量子計算モデルへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0047
研究機関福井大学

研究代表者

藤井 裕  福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 准教授 (40334809)

研究分担者 福田 昭  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70360633)
石川 裕也  福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 助教 (80825282)
研究期間 (年度) 2021-10-07 – 2026-03-31
キーワードパルス電子スピン共鳴 / 極小共振器 / ミリ波 / 核磁気共鳴 / 二重磁気共鳴 / 希薄ドープ半導体
研究実績の概要

本研究は、フィンランドとの国際共同研究により、極小の共振器(μR)を開発することで、これまで困難であった超低温かつ強磁場での高周波パルス磁気共鳴法の技術開発を行うとともに、開発した装置を用いて、希薄にリンをドープした純良なシリコン半導体(Si:P)を用いた量子計算に必要とされる超低温・強磁場下でのスピン状態の観測と制御を目指すものである。ミリ波帯μRによるパルス磁気共鳴法は、物性物理学や量子情報分野で有用な技術であるのみならず、極微量試料の評価を必要とする化学、ライフサイエンス等、さらには、単一スピンの検出にまで適用できる将来性がある。
本年度初冬に研究活動がスタートしたため、本年度はまずこれまでのμR開発状況を整理し、共同研究先とのコミュニケーションをとることに重点を置き、申請時点からの相互の状況変化を踏まえて、オンラインで打ち合わせを行った。
海外共同研究先では、比較的低い周波数(10 GHz近傍)で共振するμRを開発し、共振特性ならびにESR信号の取得に成功した。これをミリ波帯へ高周波化するためには共振器全体のサイズを小さくする必要があり、海外共同研究先で試作機を製作した。しかしながら共振モードおよびESR信号は観測できておらず、現状の課題を双方の研究者が検討した。ごく最近発表された異なるデザインのμRについても検討を開始した。あわせて、日本ではSi:Pの量子計算デバイスとしての評価に必要な電子スピン共鳴と核磁気共鳴の両方を組み合わせた測定が可能な二重磁気共鳴用共振器の開発を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外共同研究者とのコミュニケーションをはかり、本課題に関する議論や共振器開発が進められている。ただし、海外共同研究先でμR開発に従事していた研究者が2022年に企業に就職し、不在となったため、開発に必要な人的物的配置を見直す必要が生じている。

今後の研究の推進方策

2022年度はコロナ禍による渡航制限が双方で緩和されれば、実際に渡航して、研究を加速させる。現在までの進捗状況に記載したとおり、海外共同研究先での人的物的リソースの問題が生じていることから、日本側でも共振器を製作して開発を加速させる必要がある。そこで、日本で外部利用を含めて微細加工を検討する。なお、新たに発生したロシア問題によりフィンランドへの渡航が危惧されるような場合には、さらにリソースの再編を検討する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による移動制限を踏まえて旅費を予定通り使用できなかったので、次年度に使用することとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Turku大学(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      Turku大学
  • [学会発表] ESR/NMR二重磁気共鳴測定に向けたミリ波帯円筒型共振器の開発II2022

    • 著者名/発表者名
      廣澤 康平, 石川 裕也, 林 哉汰, 藤井 裕, 大矢 健太, 浅野 貴行, 光藤 誠太郎, Jarno Jarvinen, Sergey Vasiliev
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会(2022年)
  • [備考] 福井大学研究者総覧

    • URL

      https://r-info.ad.u-fukui.ac.jp/Profiles/30/0002989/profile.html

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公開日: 2022-12-28  

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