研究課題/領域番号 |
21KK0048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 信 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00455297)
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研究分担者 |
田中 宏彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60609981)
林 祐貴 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (00823387)
皇甫 度均 筑波大学, 数理物質系, 助教 (00870908)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | ヘリウム / プラズマ / タングステン / 分光計測 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
不純物ガスを添加したヘリウムプラズマを定常的にタングステンに照射し、タングステン(W)表面にWファズ(繊維状ナノ構造)やナノテンドリルバンドル(NTB)を成長させ、アークを着火させた。試料電位-250 V において,ナノテンドリルバンドルの存在はアーク点孤の頻度を増加させたが,NTB のない典型的なファズ表面ではアーク点孤が起こらなかった。ナノテンドリルバンドルを含む試料表面でアーク点孤を繰り返すと,NTB のアスペクト比が減少した。これは,アスペクト比の大きい突起状のナノテンドリルバンドルがアークを発生させやすいことを示している。アーク点孤のシース電位閾値はNTB表面で-100V以下であることがわかった。ナノテンドリルバンドルの存在はアークによるPFCの損耗を著しく促進するため、ITERダイバータ上でのナノテンドリルバンドル形成の可能性及びナノテンドリルバンドルを用いたアークによる損耗量の評価も含めて慎重に検討する必要がある。ITERダイバータへのNTBの潜在的な影響を明らかにするため、ナノテンドリルバンドルがITERダイバータに形成されるかどうかは今後検討していく必要がある。 Magnum-PSIの分光計測(OES)のデータを用いた電子温度・密度の評価の検討を開始した。重回帰分析では誤差が60%程度になってしまうが,ニューラルネットワークを導入することにより,温度・密度の評価の質が大きく改善することが分かってきた。今後詳細に検討することにより,分光計測を用いた計測手法の確立につながる可能性を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナにより2021年度は実際に赴いて実験を行うことはできなかったため,これまで行ってきたデータの解析を中心に共同研究を進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度から,DIFFERへの出張,現地での実験も含めて本格的に共同研究を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響でオランダの出張が出来なかったことにより起因する。
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