研究課題/領域番号 |
21KK0053
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金田 英宏 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30301724)
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研究分担者 |
大薮 進喜 徳島大学, 教養教育院, 准教授 (10396806)
楠根 貴成 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (20915318)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | 遠赤外線 / 星形成 / 気球観測 / [CII]放射 / 衛星ミッション |
研究実績の概要 |
インド現地で望遠鏡と観測装置の噛み合わせ試験を始める予定であったが、新型コロナウイルス感染症でインドへの渡航不可であったため、気球フライトに使用する予定の検出器の極低温動作試験を繰り返し行った。とくに、ピクセルごとの絶対感度や波長感度特性の違いに着目し、これらが最適になるような検出器バイアスパラメータの調査を行った。また、極低温読み出し回路において、不確かな挙動が確認されたため、配線周りなどを見直して、観測装置の改修を進めた。
並行して、気球高度での残留大気のスペクトルなどを評価して、実際の気球観測中に予想される性能の評価を詳細に行い、検出器に対する要求性能を導出した。さらに、観測データ解析ツールの開発、イメージ解析のためのプログラム製作なども進めた。加えて、まもなく渡航が可能になることを期待し、インドの共同研究者と議論のうえ、招へいの準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症でインドへの渡航不可であったため。また、国内の実験準備についても、新型コロナウイルス感染症の影響で遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
観測装置の準備のために、当面は電気インターフェースを国内でシミュレータを用いて確認し、望遠鏡との機械調整については、インドの共同研究者とオンラインベースで検討を始める。渡航可能になり次第、速やかに現地作業に進む予定である。気球観測が可能な11月~3月において、気球フライトを実施し、3-4天体の観測を目指す。観測天体の可視性を考慮して、観測計画を立案する。従来観測で[CII]マップが取得された天体を高詳細に観測するとともに、フィラメント・ハブ構造が卓越した星形成領域を観測リストに加える。科学データの解析は日印共同で実施する。なお、7月ごろにインドの共同研究者を日本へ招へいし、データ解析や今後の観測の進め方などについて議論を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症でインドへの渡航不可であり、海外旅費の使用が無かったため。観測装置の性能評価の実験で不具合が生じている部分があり、未使用分の助成金は、観測装置の改修費や追加実験の消耗品代、気球観測の準備のためのソフトウェア製作に使用する。
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