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2022 年度 実施状況報告書

Catastrophic caldera forming eruption revealed by petrological and experimental study of lubrication of crystal-mush

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0055
研究機関東北大学

研究代表者

奥村 聡  東北大学, 理学研究科, 准教授 (40532213)

研究分担者 並木 敦子  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20450653)
新谷 直己  東北大学, 理学研究科, 助教 (80880103)
研究期間 (年度) 2021-10-07 – 2024-03-31
キーワードカルデラ噴火 / クリスタルマッシュ / 発泡 / 流動化 / 減圧実験
研究実績の概要

大量のマグマを地表へ噴出し地表環境を劇的に変化させる巨大カルデラ噴火は,発生の頻度は低いが将来も必ず発生する。カルデラ噴火では,ほぼ固結し流動性を失ったマグマが噴出することがある。冷たい地殻内部で大量のマグマが形成される過程では,マグマが冷却し結晶化が進み,必然的にクリスタルマッシュが形成される。本研究はマグマ中に存在する気泡がクリスタルマッシュを流動化させ,その結果地表へマグマが上昇可能になるという説を検証するために,カルデラ噴火の噴出物解析,クリスタルマッシュの流動化実験,さらに流動のモデル化を行うことを目的としている。本年度は昨年度から継続していた流紋岩メルトと既知量の結晶から成るマグマの減圧実験の成果をまとめて国際誌へ投稿した。この研究では,マグマ中に気泡が形成され流動化するのは減圧率が高い場合であり,減圧率が小さい場合や段階的に減圧が進む場合には,形成された気泡がマグマから分離してしまうことが分かった。本実験の結果と実際のカルデラ噴火の条件(減圧履歴や減圧速度)を比較すると,多くのカルデラ噴火において気泡分離は起こらないことが示唆された。また今年度から気泡がクリスタルマッシュを流動化する条件を更に詳しく調べるためのアナログ実験も開始した。さらに実際のカルデラ噴火の噴出物(ボリビア・Puripica Chico Ignimbraiteなど)の解析を進め,噴火前のマグマ供給系の全体像が明らかになってきた。最終年度へ向けて,実験から明らかになった流動条件を実際のカルデラ噴火へ適用し議論を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は予定通り渡米することができ,試料の選定・解析を進めることができた。発泡による流動化実験については初めの結果を国際誌へ投稿できた。さらに詳しく流動化条件を明らかにし,最終年度には実際のカルデラ噴火において流動化が起こるのか否かを明らかにする。

今後の研究の推進方策

実際のカルデラ噴火の噴出物の解析,高結晶量マグマの流動化実験ともに研究を進める上での障害は無い。最終年度の渡米スケジュールについても,既にオレゴン州立大学の研究者と相談を進めている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染拡大を考慮して、岩石試料の解析を国内でも行えるように準備を進めた。その結果、予定した分析を国内で進めることができ経費を抑えることができた。翌年度の分担者渡航費として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Did mafic recharges trigger the historical Plinian eruptions at Sakurajima volcano?2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Araya, Michihiko Nakamura, Keiko Matsumoto, Satoshi Okumura
    • 学会等名
      IAVCEI2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 高結晶度マグマからの気相・メルトの分離プロセス:マグマ溜まり内での 段階的減圧のケース2022

    • 著者名/発表者名
      小林 昌樹、奥村 聡、星野 真人、上杉 健太朗、佐々木 理
    • 学会等名
      JpGU2022

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公開日: 2023-12-25  

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