研究課題/領域番号 |
21KK0065
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 剛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60344735)
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研究分担者 |
三宅 奏 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40910956)
畑中 信一 宇都宮大学, 大学教育推進機構, 特任准教授 (40334578)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 強力超音波 / DPLUS / 非正弦波形 |
研究実績の概要 |
基本モードと高次モードの共振周波数比を1:2に制御する手法について研究を実施している。本年度は、動的共振周波数制御法が可能なランジュバン振動により、共振型スムーズインパクト駆動機構(RSIDM)アクチュエータに応用した。この結果、基本モード共振周波数は 25.715 kHzから 24.76 kHz まで連続的に調整でき、このとき共振周波数比は1.953 から 2.028 に制御可能であった。提案手法を導入することで、この二つの共振モードは両者ともに400 秒間共振を維持し、R-SIDMの安定駆動が実現された。 さらに、二重放物面反射機構による強力超音波出力デバイスDPLUSにおいて、二つの厚み共振周波数に対応した超音波発生用のマルチモーダルDPLUSを設計した。2つのハードタイプの圧電リングを超音波出力限として採用し、周波数の異なる明瞭な超音波を発生させることとした。圧電リングは外側と内側に分割し、それぞれ 1.1 mm と 2.05 mm の厚さとすることで、独立した厚みモードで駆動することができる。それぞれの出力超音波は、DPLUSの駆動原理に基づき、二重放物面反射を経て導波管内に集束される。出力パワーを高めるには、超音波周波数を導波路の共振周波数に一致させる必要がある。導波管のサイズは、長さ 7 mm、直径 3 mm の FEM シミュレーションによって決定し、それぞれの共振周波数は、それぞれ 1.07 および 2.09 MHz となった。この二つの振動モードについて、外部インダクタを1つの 圧電リングに接続することで共振周波数を微調整することを試みた。予備実験結果では、16 μH のインダクタを直列接続して、低周波モードの周波数が 1.07 MHz から 1.00 MHz に低下することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ランジュバン振動子における共振周波数制御を安定駆動することに成功し、共振駆動型SIDMアクチュエータの駆動に応用することができた。また、DPLUSにおける共振周波数比を1:2とする設計手法を提案し、インダクタによる微調整が可能であることを実証した。以上のように、当該研究における目的を達成する研究が推進できている。
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今後の研究の推進方策 |
DPLUSによる非正弦波形強力超音波を出力する準備が整ったので、導波路先端から水中に向けて様々な波形の強力超音波を出力する。この結果生じるキャビテーション生成についての波形依存性を調べることにより、その発生過程における非線形現象の解明を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19によって共同研究先のドイツハノーファー大学への訪問が限定的となったため。
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