研究課題
本年度は、昨年度末に米国に渡航し、NSLSIIで放射光その場実験を行った結果について解析を行い、オンラインも活用して議論を進めた。その場XAFS測定によって(100)面が露出したCeO2について酸化・還元処理を行うことでPtの担持状態に大きな差異を生じることを明らかにし、それによって反応特性にと触媒の繰り返し特性が大きく変わる様子を明らかにした。また、追加実験として日本で触媒の繰り返し特性を評価し、米国でDRIFT測定を行った。CeO2の酸化還元による表面状態の変化を捉えるため、CO2を導入しながらDRIFT測定を行い、その吸着・脱着挙動の差異を明らかにした。また、Pt担持を行った触媒に対してCOを導入しながらDRIFT測定を行うことで、Ptの化学状態と分散状態を議論した。また、本年度は英国に渡航し、ナノCeO2のモデリング手法について議論し新規な手法を取り入れて計算を開始した。ナノ粒子を考慮するために原子数の多い大型計算を行う必要があり、力場を用いた計算を導入し、Ce3+およびCe4+の状態が局所構造に反映されていることを確認した。上記の、実験及びシミュレーション結果を統合的に解析し、論文発表に向けて議論を行った。まず、CeO2の酸化還元処理による表面状態の違いについてまとめた。また、それらの前処理をすることによって、Pt触媒が、CeO2(100)面上でどのように分散し、どのような表面構造をとるかについて明らかにし、それが触媒活性にと安定性にどのように影響するかをまとめた。上記の成果を、それぞれ国際誌に投稿した。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究課題の成果を纏めることができ、論文投稿を行うことができた。また結果として、当初想定した以上に興味深い差異が表面構造に確認され、それが触媒性能にも影響することが分かった。
今後は、これまでに行った実験及びシミュレーションの解析をさらに進めつつ追加実験を行い、追加で論文発表を行う。
2022年度まで渡航が制限された影響で、次年度使用額が、生じた。2024年度の共同研究先への渡航や、成果発表等に使用する。
すべて 2024 2023 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
ACS Sustainable Chemistry & Engineering
巻: ACCEPTED ページ: IN PRESS
https://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/ajiri_labo/achievement/paper.html