研究課題/領域番号 |
21KK0086
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中村 一穂 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30323934)
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研究分担者 |
武田 穣 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40247507)
和久井 健司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術職員 (50914628)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | 浄化槽 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、途上国で求められる分散型・完全自律型の汚水(し尿、生活雑排水)処理技術の開発を目的とし、日本独自技術である浄化槽(分散型汚水処理プロセス)を、新規酸素溶解デバイスによる省エネルギー化(エネルギーの自立)、および微生物動態に基づくAIアルゴリズムによる運転(維持管理の自立)により、完全自律型とするための基礎的な研究・開発を計画した。共同研究先は、南インド・べロールのVIT(Vellore Institute of Technology)Prof.Maheshの研究グループである。具体的な検討項目は、(1)南インドにおける汚水・バイオマス(し尿、生活雑排水、バイオマス、量など)の特性と生物処理特性の調査(分解特性、微生物菌叢解析、余剰汚泥コンポスト化など)、(2)プロセスのエネルギー解析と省エネルギー型の酸素溶解デバイスの開発、(3)AIを活用したリアクター特性の解析とDO制御および維持管理アルゴリズムの開発、(4)南インドにおける自然エネルギーを利用したプロトタイプリアクターによる実証試験である。1年目の目的は、完全自律型リアクターのプロトタイプのための基礎的な検討を日本とインドで並行して取り組むことである。南インドにおける基質(汚れ成分ほか)、微生物の挙動を把握するための、現地の典型的な処理設備について、その性能の調査を開始している。また、日本では、プロトタイプリアクターの設計・試作を開始した。まずラボレベルの試験機を用いて計測・制御システムについて設計を行い、インターネットによりプロセスの遠隔操作が可能となるようにハード、ソフトウェアの開発を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の目的は、完全自律型リアクターのプロトタイプのための基礎的な検討を日本とインドで並行して取り組むことである。南インドにおける基質(汚れ成分ほか)、微生物の挙動を把握するための、現地の典型的な処理設備について、その性能の調査を開始している。また、日本では、プロトタイプリアクターの設計・試作を開始した。まずラボレベルの試験機を用いて計測・制御システムについて設計を行い、インターネットによりプロセスの遠隔操作が可能となるようにハード、ソフトウェアの開発を開始した。日本側では、完全自律型リアクターのプロトタイプの制作を開始し、特注のリアクターの設計と制作に取り掛かっている。バイオリアクターは、微生物の安定性からある程度の大きさが求められるため、サイズの異なる2L程度から10-20L程度の大きさを想定して、設計した。計測制御システムは、遠隔地での実験を想定して、自動化およびインターネットでの通信を前提に設計している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の目的は、日本およびインドにおいてリアクターの運転を開始することが目標である。Prof.MaheshとはWeb会議を重ねて検討を進めており、6月-7月にかけて来日して本研究テーマに取り組む予定である。また、日本側から中村および和久井がVITを訪問して、リアクターの試運転を開始する。インド側の予定は、現地の処理方式において、水質、消費エネルギー、微生物群集の解析を中心に進め目標とするプロセスの性能の設定を行う。
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