研究課題/領域番号 |
21KK0087
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00334243)
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研究分担者 |
大塚 慶吾 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20823636)
林 昊升 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70910488)
丸山 茂夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90209700)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | カーボンナノチューブ / 有機薄膜太陽電池 / ペロブスカイト太陽電池 / 有機系太陽電池 / eDIPS / 浮遊触媒 / 化学気相成長 / 有機太陽電池 |
研究実績の概要 |
初年度である2021年度は,Esko Kauppinen教授(フィンランド・アールト大学)が来日し,2022年度中にフィンランドで行う実験について十分に対面で議論した.気相で成長させたカーボンナノチューブを電極として用い,有機薄膜太陽電池およびペロブスカイト太陽電池の37mm角および100mm角セミモジュールを作製するための設計図を引いた.参照素子として用いるインジウムスズ酸化物(ITO)を電極とした37mm角および100mm角有機系太陽電池セミモジュールで用いるパターンITO電極を発注し入手した.準備段階としてまずは37mm角4直列パターンITO電極を用いて,有機薄膜太陽電池を作製した.今後は透明電極および裏面電極において,ITO電極や金属電極を用いる代わりに,カーボンナノチューブ薄膜電極を適用していく. 一方で,国内で製造される気相で成長させたカーボンナノチューブ(MEIJO eDIPS)を溶液に分散させ,スプレーコートを行うことによっても大面積カーボンナノチューブ電極を作製できる.まずはセルサイズでeDIPSカーボンナノチューブを透明電極とした有機薄膜太陽電池を作製した.実験を行う前は界面活性剤を用いて分散させる溶液塗布プロセスを用いたら透明電極としての特性は落ちると予測していたが,予測に反しスプレーコートeDIPSカーボンナノチューブ薄膜は透明電極として十分に機能することがわかった.粉のカーボンナノチューブ粉末があれば,ここから大面積カーボンナノチューブ電極を作製することができて,それは有機系太陽電池用途においては十分に使えることを意味する.この結果について学術論文に発表し,大学からプレスリリースを行い,研究成果が新聞に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セミモジュールの設計を終え,フィンランドでの実験に必要な材料を準備した.
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今後の研究の推進方策 |
37mm角および100mm角有機系太陽電池セミモジュールについて,まずはガラス基板で,透明電極(下部電極)側,裏面電極(上部電極)側でカーボンナノチューブ薄膜透明電極を用いる.その後,基板フレキシブル基板に変えていく.また,カーボンナノチューブの化学気相成長の新たな触媒(フラーレン鉄錯体)をフィンランドに持ち込み,径が制御されたカーボンナノチューブができるかどうか試験する.
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次年度使用額が生じた理由 |
68,837円の次年度使用額が生じたが,次年度すぐに研究に必要な消耗品を発注する.
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