研究課題/領域番号 |
21KK0117
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
橋本 洋平 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436899)
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研究分担者 |
保高 徹生 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (60610417)
小栗 朋子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (30737341)
西方 美羽 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (80849977)
高田 モモ 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (00795213)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | 土壌汚染 |
研究実績の概要 |
台湾北部の関渡平野の水田地帯では、大規模な重金属汚染が発生している。特に土壌中の ヒ素濃度が高いことは、コメによるヒ素の吸収と蓄積が懸念される。ヒトへの健康リスクの低減には、コメへのヒ素や重金属の濃度を把握し、土壌からコメへの移行を抑制するための抜本的な汚染対策が必要とされている。この点において、水田のヒ素・カドミウム汚染の挙動評価や対策技術を確立している日本の貢献度は高く、国際共同研究を実施する意義も大きい。 今年度は、台湾環境庁がまとめたデータを参考にして、関渡平野で汚染や土壌特性の異なる地点から土壌を採取し、ヒ素をはじめとする重金属類の濃度や溶出実験を実施する予定であった。しかし、日本における新型コロナウイルスの感染拡大や、台湾への入国制限措置のため、現地に渡航することができなかった。そのため、今年度は主に現地の情報を連携教員との連絡や文献等から入手し、整理することを中心に実施した。ヒ素等の汚染土壌に関する近年の文献精査を実施した。基本的な情報としては、以下のことが分かっている。(1)湛水状態の水田は還元的な 環境にあり、カドミウムの溶解性が低下するが、酸化的な環境になると、Cd2+として溶解し、イネに吸収される。(2)一方、ヒ素は水田が還元的な環境になると、3価の亜ヒ酸の割合が高まり、溶解性が高くイネに吸収されやすくなるが、酸化的な環境では5価のヒ酸の割合が高まり、溶解性が低下しイネに吸収されにくくなる。主として、溶出試験や学形態分析を駆使した最新の論文を精査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大のため、台湾への渡航が制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
台湾への渡航制限が緩和されたら、渡航して現地での調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
台湾への渡航ができなかったため、旅費等の支出がなく、主に文献調査やオンラインでの打ち合わせを実施した。次年度以降は、学会発表や台湾への渡航のための旅費、各種実験等の支出を予定している。
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