研究課題/領域番号 |
21KK0120
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10207441)
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研究分担者 |
THAPA JEEWAN 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 助教 (40837449)
大沼 学 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主幹研究員 (50442695)
鍋島 圭 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員 (70910397)
鈴木 定彦 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (90206540)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | ネパール / 希少種 / 致死感染症 / 生物多様性ホットスポット / 保全科学 / 結核 / アジアゾウ / 絶滅リスク評価 |
研究実績の概要 |
昨年度より続いていた新型コロナウイルス感染症のパンデミックがようやく収まり、本年度はネパールに行くことができた。実際には、研究代表者の坪田の他に研究協力者の大学院生2名(Rajan PaudelおよびArjun Pandit)が、各々チトワン国立公園においてナマケグマの生態学的研究およびアジアゾウの結核菌の分離および遺伝子型別の研究を行なった。さらに、新たに大学院生のRishi Baralが高標高ヒマラヤ地域においてヒグマの生態学的研究に着手した。いずれもネパールの共同研究者であるDr. Naresh Subediのサポートを得た。研究成果としては、ナマケグマの生態学的研究の一部(チトワン国立公園におけるナマケグマの分布と土地利用)を学術発表することができた。Rajan Paudelは、これらの研究により2023年3月に博士の学位を取得した。また、Arjun Panditは、チトワン国立公園において飼育アジアゾウの結核感染を血清抗体および糞を用いたPCR法およびLAMP法により検出することを試みた。さらに、野生アジアゾウの糞を収集し、結核感染の有無を調べている。野生動物の糞を用いた結核菌検出の試みは初めてである。これらについては、現在、分析中である。Rishi Baralは、アンナプルナ野生生物保護区のムスタング地域においてヒグマの分布状況を把握するためにカメラトラップを設置した。現在、データを回収して解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより研究対象国ネパールに行くことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ようやくネパールへの渡航が制限なく行えるようになったので、計画的にネパールへの渡航を進め、アジアゾウの結核研究および各種クマ類の生態学的研究を加速的に進展させる。ただし、1年の遅れを取り戻すのは難しいと判断し、研究期間延長して4年間で研究を遂行する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより調査対象国ネパールに渡航できなかったため研究を進めることができなかった。その分の予算が残ったままである。研究期間を1年延長して2024年度への予算繰越を計画している。
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