研究課題/領域番号 |
21KK0121
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
麻田 正仁 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (40587028)
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研究分担者 |
田川 道人 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (00749468)
菅沼 啓輔 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60772184)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | マラリア / スイギュウ / 偶蹄類マラリア / アノフェレス / 蚊 |
研究実績の概要 |
マラリアは蚊によって媒介され、宿主の赤血球に寄生するPlasmodium属原虫による住血微生物病であり、ヒトのマラリアは三大感染症の1つとして知られている。ところが、偶蹄類に寄生するマラリア原虫に関しては、申請者らが疫学調査を行うまでその存在がほとんど知られていなかった。申請者らは偶蹄類マラリアの国際疫学調査を行い、スイギュウ並びにヤギのマラリア原虫が世界各国において病原性を示すことなく高頻度で寄生していることを明らかにした。さらに、イランのヤギの調査から、マラリア原虫に感染した個体は、ピロプラズマ(原虫)・アナプラズマ(細菌)への感染が有意に少ないことを発見した。本研究では偶蹄類マラリア原虫と他住血微生物の相互作用を明らかにすることを目的としている。 今年度はタイのスイギュウについて調査を行い、経時的なマラリア感染状況、臨床症状の調査のほか、蚊の採集を行った。蚊の頭部を数サンプルまとめてDNAを抽出し、PCRを行った結果、アノフェレス属の蚊よりスイギュウマラリア原虫DNAが検出された。DNAが検出されたのはA. wejchoochoteiないしA. campestrisのサンプル並びに A. peditaeniatusのサンプルであり、これらの蚊がスイギュウマラリア原虫の媒介蚊であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はタイへの渡航は叶わなかったが、既に確立していた海外共同研究者との連携により、研究を実施することができた。日本側から研究者が渡航できなかったため、スイギュウの臨床症状に関する研究は遅れた一方、媒介蚊の推定が出来た点は当初計画以上の進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は両国の研究者が互いの国に渡航することで、偶蹄類マラリアの臨床症状、さらには他の病原体との相互作用について解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費、人件費での使用が無かったたため次年度使用額が生じた。2022年度中にタイに渡航できる場合は旅費に、そうでなければ得られたサンプルのPCR用消耗品費として使用する。
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