研究課題/領域番号 |
21KK0122
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
万年 英之 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20263395)
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研究分担者 |
米澤 隆弘 東京農業大学, 農学部, 准教授 (90508566)
下桐 猛 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (40315403)
笹崎 晋史 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50457115)
川口 芙岐 神戸大学, 農学研究科, 助教 (00879968)
西堀 正英 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (80237718)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | インド洋 / 家畜 / ヤギ / ニワトリ / ブタ / 伝播 / ゲノム解析 / 海洋経路 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本国際共同研究は「海の道」による家畜の海上伝播とその影響を明らかにすることを目的とし、着想したインド洋海上経路が中小家畜の伝播経路の一つであるという新しい仮説を検証する。その具体的方策として、インド洋海上経路の複数国(インドネシア、モーリシャス、マダガスカルなど)と国際共同研究を構築し、収集する中小家畜(ヤギ、ブタ、ニワトリ)試料に対し全ゲノムリシーケンスを含むゲノムワイドな遺伝学的解析を実施する。解析情報から広大なインド洋海路が家畜の伝播や遺伝子流入に与えた影響を評価し、ヒトの歴史に紐づけた家畜伝播の考察を行う。この解析には、家畜情報と試料(DNA)の収集という観点から、インド洋広範囲にわたる国際共同研究が必須となる。本課題により、インド洋海路に基づく新しい国際共同研究コンソーシアムを構築し、若手研究者参画によるグローバル視点を持つ将来の国際共同研究のリーダーを育成する。 【2021年度の研究実績】当該年度は世界的なコロナ禍が継続中のため、オンラインを使い国際共同研究者と調査計画を立案した。調査対象国はインドネシアとモーリシャスである。モーリシャスはFAREIのGobindram博士と連絡を取り、コロナ禍の状況を注視しながら2022年9月頃に2-3週間の調査を行う計画を立て、対象動物はヤギとニワトリである。モーリシャス本島とロドリゲス島の2島に対して調査を計画しつつある。インドネシアはHasanuddin大学のBugiwati 教授と連絡を取り、2022年度の調査計画を進めている。Lakor島、Timor島、Lembata島を対象とし、対象家畜はヤギである。コロナ禍の状況を鑑み、インドネシア共同研究者による試料収集を計画を進めている。採取された試料は冷凍保存し、機会を見て代表者が現地でのDNA精製等を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は世界的なコロナ禍が継続中のため、オンラインを使いた国際共同研究者と調査計画を中心に活動を行った。調査対象国はインドネシアとモーリシャスである。 モーリシャスはFAREIのGobindram博士と連絡を取り、コロナ禍の状況を注視しながら2022年9月頃に2-3週間の調査を行う計画を立て、対象動物はヤギとニワトリである。モーリシャス本島とロドリゲス島の2島に対して調査を計画しつつある。調査・試料採取を行う頭数としては、ヤギとニワトリ共に各島20頭を予定している。 インドネシアはHasanuddin大学動物科学部動物育種学のSri Rachma Aprilita Bugiwati 教授と農学部動物遺伝学のMuh. Ihsan A. Dagong准教授とオンライン協議を数度行いながら2022年度の調査計画を進めている。現在のところ、Lakor島、Timor島、Lembata島を対象とした調査を、インドネシア共同研究者による試料収集を計画を進めている。対象家畜はヤギである。調査・試料採取を行う頭数としては、ヤギとニワトリ共にが各島20頭を予定している。採取された試料は冷凍保存し、機会を見て代表者が現地へ赴き、共同研究の協議やDNA精製等を行う予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降も依然として世界的なコロナ禍の終息は見えていない。一方、世界的にWithコロナの考え方から、海外渡航調査は制限的ではあるが実施できるものと考えている。2022年度はモーリシャス海外調査と海外共同研究者によるインドネシア試料収集を予定している。 2022年9月にモーリシャスの試料が収集できると考えているので、そのDNA試料に対しては予定通り、母系mtDNA解析と父系SRY遺伝子の塩基配列解析を行う予定である。予定している試料が収集された際には、常染色体高密度SNPアレイによるゲノムワイド解析を予定している。 インドネシア在来ヤギの試料収集と現地に赴いたDNA精製は2022年度後半~2023年度になると推測している。DNA試料を入手できた場合には、母系mtDNA解析を始めとし、父系SRY遺伝子の塩基配列解析を行う予定である。また、予定している試料が収集された際には、常染色体高密度SNPアレイによるゲノムワイド解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度内は世界的にもコロナ化が収束せず、予定していた海外調査は実施できなかった。一方、これは一部予定内でもあったのでオンライン会議による計画を進めていた。2022年度にはモーリシャスへの海外調査に加え、インドネシアでの試料収集等を予定しており、その計画に残予算を計上する予定である。
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