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2021 年度 実施状況報告書

海洋島横断比較ゲノム解析による適応放散の遺伝的基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0131
研究機関京都大学

研究代表者

高山 浩司  京都大学, 理学研究科, 准教授 (60647478)

研究分担者 須貝 杏子  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (20801848)
今井 亮介  九州大学, 理学研究院, 学術研究員 (50794632)
研究期間 (年度) 2021-10-07 – 2025-03-31
キーワード適応放散 / 海洋島 / 比較ゲノミクス / キク科
研究実績の概要

本研究の第一の目的は、ファンフェルナンデス諸島(チリ共和国)とカナリア諸島(スペイン)で独立に適応放散を遂げたキク科ノゲシ属のゲノムを比較し、両分類群に見られる共通の遺伝的基盤の変化と進化プロセスを捉えることである。具体的には、1.祖先種が海洋島に進入した際のボトルネックの効果、2.空きニッチへ分布拡大していく際の自然選択の緩みと適応度効果の有無、3. 異なる環境に適応する際に強い自然選択を受けたゲノム部位を明らかにし、それらに種間・環境間・海洋島間で共通性があるかを検証する。
2021年度は解析環境の整備と高品質・高分子のDNAを抽出するための準備を行った。分担研究者のもとで次世代シーケンサーによって得られるデータを解析するためのコンピューター環境を整えた。また、国外の共同研究者から対象植物の種子サンプルを入手し、温室にて発芽栽培を開始した。現在までにDNA抽出に用いることができる程度の大きさまで生育した植物が数株あり、これらの試料からDNA抽出を行う準備が整いつつある。DNA抽出に関しては、近縁種を用いた予備実験を行い、フィルターを用いた分画法により、細胞質ゲノムを極力取り除き、高分子量のDNAを抽出する手法を構築した。
本研究の第二の目的は、チリ共和国のコンセプシオン大学およびカナリア諸島のラ・ラグナ大学の研究者との持続可能な研究ネットワークを形成することである。2021年度は代表研究者がオンラインでのミーティングを行い、プロジェクトの進め方や現地調査のやり方を相談した。今後、コロナウイルス対策の動向を見ながら、海外調査の実施計画を立てる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウイルスの影響により現地調査計画の策定に時間を要している。一方、国外の共同研究者から種子サンプルを入手することができたため、一部のゲノム解析をスタートする準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

①野外調査:2022年度中にカナリア諸島での野外調査の実施を検討する。コロナウイルスの影響などで実施困難な場合は、現地協力者に試料収集を要請し、研究計画全体に遅れが生じないようにする。
②遺伝子解析(wet):チリ共和国の共同研究者に種子サンプルの入手を依頼し、両諸島から収集した代表種について、高品質高分子量のDNA抽出を行う。DNA試料が得られたものからロングリードシーケンスを行う。
③遺伝子解析(dry):代表種に関して、ゲノムデータの解析を開始する。ドラフトゲノムの構築状況に応じて、追加のデータ取得の必要性や他のサンプルでの必要データ量を決定する。

次年度使用額が生じた理由

解析試料の入手がやや遅れているため、実験解析に用いる費用を繰越した。種子サンプルの発芽栽培が順調に進んでいるため、次年度は実験解析に繰り越した費用を使用できる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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