研究課題/領域番号 |
21KK0143
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
|
研究分担者 |
武内 智康 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (20754188)
寺田 達弘 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任研究員 (80550178)
松平 敬史 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任研究員 (80743210)
|
研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
|
キーワード | アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
本年度の第3四半期から研究が開始され、令和3年10月に倫理委員会の承認を得て、研究がスタートした。まずは患者エントリーとなるが、アミロイド背景を有する軽度認知障害(MCI)を中心とするアルツハイマー病(AD)スペクトラムと非AD症例をエントリーする。新型コロナウィルスオミクロン株の蔓延で、当初立てた研究数[4年間でADスペクトラム症例30人、他の認知症疾患症例20人(レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認症など)を国内の認知症疾患センター(近隣の中核病院や研究施設)から登録する]が少し遅れてしまった。一方で、液性バイオマーカー検討は進んでいるため、画像件数の遅れのみで推移した。画像解析法と神経心理評価法は国際間で共通プラットフォームとしたものを使うように現在研究者と打合せをしている。本来であれば年度後期にMcGill大学の研究者とディスカッションする予定だったが、オミクロンの影響でメール・ウェブでのやり取りを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像撮像に関してはオミクロン株の席巻で患者登録が進まなかったが、血液データ採取や検討に関してはこれまでのサンプルがあり、検証が進んだ。全体としてはおおむね順調と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
脳画像データの蓄積を行っていく。脳画像では、2日間に分けて、1日目は、ミトコンドリアイメージングを[18F]BCPP-EFのPET検査で行い、2日目は、シナプスイメージングを [11C] UCB-Jあるいは活性化ミクログリアのイメージングを[11C]DPAのPET検査で行う。本年度もMcGill大学と本研究の研究者同士でプロトコルの共通化を話し合い、若手研究者を中心に撮像と解析を行っていく。画像検査では下記のMRIとPET計測を行う。MRI検査: 3T-MRIを用いて3次元MRIを撮像する。SPM12のDARTELソフトウェアを用いて、三次元MRI-T1強調画像から局所脳容積を算出する。若手研究者が解析学習する。PET計測: [18F]BCPP-EF 2MBq/kgを緩徐に1分間で静脈注射し、90分のダイナミックスキャンを行う。後日、 [11C] UCB-J 約370MBqか[11C]DPA713 約370MBqを静脈注射し、90分のダイナミックスキャンを行う。この際に若手研究者はこの撮像プロトコルの標準化を作る。血液バイオマーカー研究としては、採取後血漿に分離し、ディープフリーザーにて冷凍保存する。血液サンプルは、専用の保存輸送用の容器をMcGill大学から日本に送付してもらい、厳重に梱包後、空輸でMcGill大学に送付する。新型コロナウィルス感染が世界的に落ち着けば、若手分担者が中心になってMcGill大学に渡航し、血液バイオマーカーの技術研修を受けるとともに、p-tau181, p-tau217、p-231、Aβの測定を行い、日本に技術継承する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
旅費を計上していたが、新型コロナウィルス感染のため使用することができなかったため、次年度に繰り越すことにした。
|