研究課題/領域番号 |
21KK0146
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 剛 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特任助教 (20733900)
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研究分担者 |
小林 正典 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (10825459)
工藤 篤 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (20376734)
田邉 稔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50197513)
岡本 隆一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50451935)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 膵神経内分泌腫瘍 / pan-NEN / 膵オルガノイド / RNA-seq |
研究実績の概要 |
研究分担者が所属する診療科(消化器内科)においては、年間200例を超える超音波内視鏡検査を実施しており、NET診断例も年間20例以上実施している。また本研究グループの肝胆膵外科においてもpan-NEN診断例に対する手術件数は増加しており、pan-NEN患者に由来する生検・手術検体はいずれも安定した症例数の提供を受けることが可能である。これら臨床検体を用いたpan-NENオルガノイドの樹立法については既に研究代表者らにより確立・実証済みである。2022年度は当初の研究計画にのっとりpan-NEN手術検体、EUS-FNA検体、同一症例の膵非腫瘍組織や肝転移巣等からも患者由来オルガノイドを樹立し20例を超えるオルガノイドいのバンク化を行っている。pan-NENオルガノイド膵正常オルガノイド、肝転移巣由来オルガノイドの一部はRNA-seqに提出済みであり国際共同研究先IKMBの専任Bioinformaticianとはzoom会議を通して密に連携を行い解析を行なっている。肝転移を規定する遺伝子はすでに候補遺伝子をいくつか抽出済みであり今後は分子生物学的解析を行う。また本グループから国際共同研究先のキールへは医学部生、研究代表者が赴き、学会で成果の発表を行うとともに、候補遺伝子の抽出について意見交換を行い、網羅的解析技術について指導を行い知見を深めている。本年度も人体交流も含め行う予定であるとともに、代表者所属大学との部局間交流の提携の交渉も開始しており、国際交流の礎となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に則り、膵オルガノイドバイオバンクの拡大を行なっており、膵癌などの他膵腫瘍由来オルガノイドを含め幅広いバイオバンクの樹立に成功している。また計画通りバイオバンクを利用した網羅的解析も開始しており、膵神経内分泌腫瘍の分子生物学的特性、転移を規定する因子の探索を目的に、国際共同研究先と協議の上候補遺伝子の絞り込みなどを行なっている。また人的交流も行なっており、本研究グループより国際共同研究先への短期留学も行なっている。今後もさらなる国際交流へと発展させていく予定となっている。したがって研究計画としては概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画に則り、RNA-seqを引き続き国際共同研究先の専任bioinformaticianと協議を重ねて、解析を行なっていく予定である。解析は順調に進んでおり、候補遺伝子の選定を行い、その遺伝子の機能解析を分子生物学的手法を用いて行う予定である。また本年度も人的交流を積極的に行う予定であり、海外での学会発表も予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬などが計画当初より廉価で購入可能であった。また新型コロナの状況で海外研究者の招聘が叶わず、来年度を予定している。手術検体数も新型コロナの影響で減少し、予定より得られる検体数が減少したことから差額が生じた。 使用計画:来年度は海外渡航、海外研究者の招聘も積極的に行う。また検体数の数も増やして解析を行う予定であり試薬を増量して購入する予定である。シングルセルシークエンスなども患者検体が得られ次第行う予定である。
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