研究課題/領域番号 |
21KK0148
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
朝倉 崇徳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (10645609)
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研究分担者 |
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20198724)
上蓑 義典 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60748789)
南宮 湖 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50594644)
西村 知泰 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (90348649)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 肺NTM症 / 肺MAC症 / 気管支拡張症 / ムチン / MUC5B / 喀痰 / プロテオミクス |
研究実績の概要 |
肺非結核性抗酸菌(NTM)症は難治性の慢性進行性呼吸器感染症であり、抗菌薬治療における効果は限られ、新たな治療戦略が求められる。申請者のグループは、肺NTM症の患者情報・臨床検体を含むデータベースを構築し、解析・報告する中で、同疾患に特徴的な気管支拡張病変に着目した。本研究では、申請者らが集積した喀痰などの臨床検体を用いて、 国際共同研究先あるノースカロライナ大学(UNC)が独自に有する系により、ムチンおよび生物物理学的特徴を解析する。申請者は肺NTM症・気管支拡張症の病理検体を用いて、主座が末梢気道病変にあり、ムチン異常集積が重要であることを明らかにした。慶應義塾大学病院で倫理委員会で承認を得て集積した検体は200例以上となり、その一部をノースカロライナ大学に搬送し、解析のための検体準備を進めた。また同時に、患者における臨床情報を集積し、さらなる分子生物学的解析を施行するための病理組織および気道上皮細胞を集積している。2022年度には現地に渡航し、サンプルの整理およびセミナーを含めた討議を行った。さらに、日本における気道上皮細胞培養体制を構築することができた。健常者由来の喀痰検体も集積し、既に現地に搬送した。2023年度では各種検体の解析を遂行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体・情報に関しては順調に集められているものの、2021年度は新型コロナウイルスの影響もあり、共同研究先の装置の故障・修理に時間を要したため、サンプルの解析が限られた。2022年度は健常者由来の検体を採取し、その現地への搬送および渡航によるサンプルの整理などを行うことができた。日本における培養実験環境も整えることができてきている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度から2022年度前半は新型コロナウイルスの影響があり、渡航は中々困難な状況ではあるが連絡を密に取ることで対応している。本年度は本格的に喀痰の解析を行うとともに、日本におけるin vitroや病理学的解析も並行して行っていく。今後も研究実施計画に沿って研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプルの輸送や現地での整理に時間を要したため、次年度使用額が生じた。使用計画としては行う予定であった喀痰の解析を次年度そのまま施行予定である。
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