研究課題
本研究は先天性下垂体機能低下症の原因・病態について、申請者の持ちうるマテリアルを米国ミシガン大学のSally Camper研究室の持つ先進的な手法を用いて解析を行うものである。[母体内環境因子曝露による下垂体機能低下症]昨年本研究課題の共同研究者である、大阪母子医療センター部長 松尾勲先生よりOtx2ヘテロの凍結胚(ICR background)を分与頂き、マウスの維持を開始した。本年、ICR backgroundでのOtx2を用い、母体内へのアルコール曝露条件について設定を行った。複数の条件を設定し評価したところ、E7-9にかけて複数回の母体内アルコール曝露を行った際に、頻度は少ないものの、下垂体原基であるラトケ嚢の形成マーカーであるLHX3の発現が低下しているembryoサンプルが存在していることが明らかになった。しかしながら、現時点での結果としては、ICR backgroundでの環境因子曝露では、下垂体形成異常を来す頻度としては低く、既報の条件を考えると、適切な条件のstrainでのbackgroundが存在している可能性が考えられた。そこで、現在発症閾値が低いと考えられるC57BL/6との交配を進めている。今後、発症閾値が異なる可能性について明らかにするべく解析を進めている。[日本人サンプルを用いた、新規先天性下垂体機能低下症の原因遺伝子の同定]神戸大学医学部附属病院の他、複数の共同研究者から患者DNAサンプルを採取し、ミシガン大学へ送付済みである。今後MIPSでの解析に移る予定である。
3: やや遅れている
予定していたマウスのstrainでは表現型に乏しく、他strainとの交配を要した為、時間を要した。現在交配が進んでおり、研究を進捗し得ると考えられる。
母体内環境因子に関する検討については、strain変更での解析が進んでいる。今後embryoを用いた解析に移行する。現在CPHDに関する検討についてはMIPSでの解析が進んでおり、解析が進み次第マウスモデルでの解析に移る。
本年度においてはミシガン大学へのサンプル配送が次年度に繰り越しになった為、余剰が生じた。翌年度のサンプル配送、解析に用いる予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (29件)
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