研究課題/領域番号 |
21KK0163
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 直樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80805284)
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研究分担者 |
林 慶和 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (00801078)
服部 多市 九州大学, 大学病院, 医員 (10897185)
川野 真太郎 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (00398067)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2027-03-31
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キーワード | 細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞 / ダブルネガティブB細胞 / COVID-19 / IgG4関連疾患 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの一年目として、2021年度はまずCOVID-19およびIgG4関連疾患における細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の増加と機能について明らかにするために、各々の疾患のサンプル収集を開始した。組織サンプルについては、多重蛍光染色によるそれらの細胞の局在と、タンパクの発現について解明を進めている。血液サンプルについてはフローサイトメトリーを行い、同様に解析を進めている。実際、組織や血液においては同細胞群が健常者に比較し、増加していることを確認している。今後、それらの細胞群の産生する分子を解明するため、標的分子をさらに増やし検討を続ける。 さらに得られたサンプルについて、シングルセル解析も行い、シングルセルレベルでの遺伝子の発現も検討している。すでに結果が得られたIgG4関連疾患においては、同細胞群の増加と線維化関連因子の発現が明らかとなった。一方、これらの細胞の機能連関については、条件設定が複雑であり当初の予定より遅れが出ており、まだ検討に至っていない。引き続き条件設定の検討を続ける。 上記の結果は全て細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の病態への関与を示唆するものであり、COVID-19とIgG4関連疾患に共通する新規治療薬の開発に向けて取り組んでいく。 また、同疾患でのCD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の役割について、現段階で判明していることと今後の課題を記し、総説論文として報告した (Immuno, 2, 170-184, January 2022.)。その他にも多数の学会で、これらの研究成果について発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サンプルを鋭意収集しているが、処理が上手くいかないものもあり、COVID-19とIgG4関連疾患のサンプルを各々6例ずつシングルセル解析を行う予定であったが、現在IgG4関連疾患を二例提出しているのみである。また細胞同士の機能連関についても条件設定が繁雑であり決定できていない。
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今後の研究の推進方策 |
シングルセル解析により細胞障害性CD4+ヘルパーT細胞とダブルネガティブB細胞の、病態に関連する遺伝子を同定し、それらの細胞の機能を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
シングルセル解析に提出する予定であったサンプルの状態が悪くまだ解析に提出できていない。今後再度サンプルを採取し、解析に提出する予定であるため次年度使用とした。
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