研究課題/領域番号 |
21KK0190
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
幡本 将史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20524185)
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研究分担者 |
池田 匠児 鹿児島工業高等専門学校, 都市環境デザイン工学科, 助教 (00909468)
山口 剛士 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 准教授 (30759832)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 脱窒 / バイオリアクター / スリランカ / ベトナム / 担体 |
研究実績の概要 |
本年度も年度当初はCOVID-19の制限があるため、オンラインでスリランカおよびベトナムの共同研究者と研究の実施について協議を行った。スリランカで担体リアクターを構築するにあたり、スポンジよりも安価で現地で調達可能なヤシ殻やヘチマスポンジなども担体として用いる事とした。また、現地の実験環境を調査し、微生物解析のためのDNA抽出およびDNA前処理方法を検討し、現地でDNA抽出と乾燥処処理をできる体制を整えた。リアクターの基本的な構成と設置場所および処理対象の廃水についてカウンターパートの研究者と協議し、具体的な実験方針について決定を行った。日本においては、無曝気かつ有機物添加無し条件で、脱窒を促進させる新しいコンセプトのリアクターの基本的な運転を昨年度より実施し、従来のリアクターの約2倍の窒素除去率を示すことを明らかにした。微生物解析の結果、脱窒菌だけでは無くアナモックス細菌も窒素除去に関与していることが明らかとなった。本リアクターについて本年度さらにより実用的な構成のリアクターを構築し、運転試験を実施しリアクターの処理性能と微生物の解析を行った。ベトナムでは、主要なアグロインダストリーである天然ゴム製造工程から排出される排水の窒素除去に適用できるようなアナモックスリアクターを構築するための微生物集積を実施する事とし、予備的な培養実験に着手した。また、微生物解析の方法をカウンターパートの研究者と協議し、DNA抽出までの前処理をベトナムで実施し、シーケンスおよびその後のデータ解析を日本で実施する事とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度の初めはCOVID-19によると渡航制限およびスリランカにおける政情不安から引き続きオンラインで、担体リアクターの設計や打合せなどを行った。また、引き続き日本において新規コンセプトのリアクターのオペレーションを行った。年度後半にスリランカに渡航し現地の調査とリアクターの組み立て、実験方法についてカウンターパートの研究者と協議を行った。また、ベトナムにおいてはアナモックス微生物の培養について調査および簡易的な培養実験に着手した。研究申請段階で想定していたより、COVID-19による影響が長引いたものの、海外研究者とはオンラインで打合せを行い、かつ国内で補完的な実験を行っており進捗に問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も引き続き新しいコンセプトのスポンジ担体リアクターを用いて、無曝気かつ有機物添加無し条件で、脱窒性能を調査する。その成果を踏まえ、海外で現地調達できる素材でリアクターを構築し実験を行う。また、微生物解析を現地で実施出来る様に機材の整備と体制をととのえ微生物の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定よりもCOVID-19による渡航制限およびスリランカにおける政情不安から年度前半は海外渡航せず引き続きオンラインで研究を実施した。次年度は移動制限がほぼ無いはずであり、昨年度実施出来なかった実験手法の打合せなど対面で出ないと実施出来なかった研究項目について実施する。
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