研究実績の概要 |
本科研費による助成を研究活動の一部として、2023年度に行った研究実績としては、学会発表1本、英語論文1篇、論集原稿執筆が挙げられる。 学会発表としては、2023年5月21日に開催された第73回日本西洋史学会大会における自由論題報告として、「ゲルゼンキルヘン・チフス裁判(1904年):疫病をめぐる科学と司法」というタイトルで研究発表を行った。これはルール地帯の中都市ゲルゼンキルヘンで発生したチフス流行をめぐる裁判を扱ったもので、公害問題の先駆けとして当時の水道会社や感染症研究所の動向を探ったものである。 英語論文としては、German History Societyが編集・刊行する査読付き国際学会誌『German Hisotry』(Oxford University Press)のVolume 42, Issue 1にて「Tuberculosis on Display. Tuberculosis Travelling Museums in Wilhelmine Germany」と題する論考を刊行した。これはヴィルヘルム時代の結核展覧会の動向を追跡したもので、これを通じて当時の結核問題の諸相を考察したものである。 論集原稿の執筆としては、代表者が編著者を務める論集『生体管理の近代史:個人識別技術と身体の情報化』(明石書店)の原稿(3章分)執筆ならびに他の諸論稿の取りまとめを行った。こちらはまだ原稿が揃っていないため未刊行となっているが、2024年度中に出版を予定している。
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