研究実績の概要 |
本研究は, がん患者を対象に, 彼らが表現することにより, セルフトランセンデンス(喪失や困難な人生経験に直面した際に獲得される生きる意味や目的をみいだす能力のひとつ)が促進されることを検証しようとするものである. すでにArt as medicine の概念をQOL向上に取り入れている英国の病院・研究所と日常生活の見直しから劇的な寛解を科学的に解明しようとする米国の研究者たちと共同研究を図ることで表現を用いたサバイバーシップケアの構築を目指す。そのために、今年度はオンラインで日々の表現媒体(作品)を投稿し、ウェルビーイング評価のための質問に回答、他の作品を鑑賞できるプラットフォームの構築を行った。ウェルビーイングの評価質問の構築のために、新たに心理学の専門家であるDr. Chia-huei Tseng がチームに入った。米国、がんセンターでの調査が難航しているため、一般的にアートセラピーがクリニックなどでもうけられている台湾の、アートセラピストと出会い、今後共同研究の場が台湾でも展開できることとなった。そのためには、院内での倫理審査を通す必要があるので、今後は入念に内容を詰めて準備していく次第である。 さらに、今年度は、写真の中で当事者が演じるサンプル作品の展示会を行い、参加者を募った。
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