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2023 年度 実績報告書

アルツハイマー病の発症リスクを知る権利の医療実装:実証的な生命倫理学研究

研究課題

研究課題/領域番号 21KK0225
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

和氣 大成  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (80815845)

研究期間 (年度) 2021 – 2023
キーワード医学的対処可能性 / アルツハイマー病 / バイオマーカー / 知る権利 / 発症前診断 / アミロイドPET / 医療倫理 / 告知
研究実績の概要

アルツハイマー病の原因物質とみなされるアミロイドβ(Aβ)の蓄積を抑制する薬剤であるレカネマブが、認知機能の低下も抑制した十分なエビデンスを示したとして、米国食品医薬品局(FDA)に承認され、認知科学コミュニティに衝撃を持って受け止められた。わが国でも厚生労働省により承認され、令和5年12月より販売名レケンビとして販売が開始された。国内の報道によれば、医療機関における投与のペースは販売元の製薬会社が想定したものを上回るとされる一方、海外の報道では、米国内の専門家の半数が投与に消極的な態度をとっているとの報告が紹介され、普及が進んでいないとの実情が伝えられた。本研究が対象とする医学的対処可能性については、このように、一致した評価が与えられているとは言い難い状況にある。そのため、論文、学会発表などの資料精査を継続し、神経科学、精神医学、応用倫理学、心理学など複数の関連分野における専門家から、対面とオンラインを含めて広く意見を集めた。また近年、患者を含む個人に医療機関を通さずに企業が直接にサービスや製品を販売するDirect-to-consumer(DTC)が、遺伝学的検査においても活発化しているが、血中Aβとリン酸化タウ蛋白(p-tau)のレベルを特定できる検査も開発され、企業などが検査サービスを提供し、消費者が利用可能となる日も遠い未来では無くなった。これらは医療倫理の四原則における「自律」を促進するものなのか、あるいはかえってリスクとなりうるのか、慎重に見定める必要があり、これについて情報を収集し意見を交換した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] University of Oxford(英国)2022

    • 年月日
      2022-03-01 – 2024-03-21
    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Oxford
    • 主な海外共同研究者名
      Julian Savulescu
    • 部局
      Oxford Uehiro Centre
    • 職名
      Professor
  • [雑誌論文] 疾患修飾薬と超早期告知の課題2023

    • 著者名/発表者名
      和氣大成
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 52 ページ: 1061-1068

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公開日: 2024-12-25  

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