研究課題/領域番号 |
21KK0228
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
箕輪 佳奈恵 筑波大学, 芸術系, 特任助教 (60784915)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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キーワード | art education / United Kingdom / anti-racism / cultural divesity / inclusive/inclusion / decolonisation / multicultural / intercultural |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、多文化社会であるイギリスの美術教育における文化的多様性について特にアンチレイシズムの視座から調査し、異なる人種・民族・宗教・ア イデンティティなどをめぐる多様な文化の尊重・包摂が美術教育の中でどのように実現されようとしているのか、フィールドワークを核とした民族誌学的手法による調査から明らかにすることを目的とする。この研究目的は、1.美術教育の文化的多様性をめぐる研究・教育実践の包括的な動向把握、2.多様な文化を美術教育に反映させた実践事例の収集、3.美術教育実践と文化的多様性との関係性の理論化、以上の3つの段階を踏んで達成する。 本年度は、1.に相当する研究資料収集と並行して、2.に相当するアンチレイシズム的美術教育に関連するワークショップなどの教育プロジェクトに定期的に参加してきた。具体的には、東ロンドンに位置するアートギャラリー、Autographが半年以上に渡って企画・実践してきたティーチングリソース開発を最終目標とするプロジェクトや、NSEAD (National Society for Education in Art and Design)のARAEA(Anti-Rascist Art Education Action)グループが主催するワークショップなどである。これらのプロジェクトへの参加を通して、イギリスの美術教育におけるアンチレイシズム的美術教育は、すでに業界を挙げて目指すべき当然のことであると見なされていることが改めて確認できた。また、同じく2.に相当する教育現場での実践事例収集の達成を目指して準備・交渉を進めてきたが、ロンドン市内の中学校から研究協力を得られることになった。学校訪問は令和6年度以降に開始することになったので、イギリス滞在を当初の計画よりも延長して、定期的に学校を訪問しながら美術科授業を調査させてもらう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育現場への実際の訪問開始の時期は予定より遅れたものの、イギリスの学校へのアプローチの難しさを考えると、現在の進捗状況で妥当と考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
ロンドン市内の中学校での調査を、イギリス滞在終了まで継続的に実施し、質・量ともに充実したデータを収集して完了させる。
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