研究課題
吃音症(どもり症)は、流暢に話せない言語障害であり、幼児期に発症し、成人になっても1%の人口に吃音が残存しています。軽度の吃音であっても、悩みが深刻な場合があり、吃音のある人の悩みが過小評価される問題点が、教育・医療・福祉現場で存在しています。その悩みの可視化のため、海外で広く使われている吃音の困難感に対する包括的評価ができるOASES-Aを成人吃音者51名に測定した。OASES-Aの質問紙は、100項目を5件法で回答する質問紙で、「全般的な情報」「吃音へのあなたの反応」「日常の状況でのコミュニケーション」「生活の質」の4つのセクションで数値化できます。OASES-Aの欠点として、質問項目が100も多いこと、日本ではあまりその質問紙が普及していないことである。吃音症は成人では約5割に社交不安症が併発することが知られており、その重症度はLSASで測定できる。LSASは24項目の状況について、「恐怖感/不安感」と「回避」の程度を0~3の4段階で評価、点数化し、総得点により社交不安症の社交不安症の重症度を測定する。144点満点のうち50点以上のLSASが、中等度の社交不安症と判断されます。社交不安症の重症度を評価するLSASとOASES-Aの相関関係を調べた。その結果、LSASの平均値が51.5(中等度)、OASES-A全体の平均値が2.86(中等度)、OASES-AとLSASの相関係数は0.56であり、OASES-AとLSASは相関があることを発見した。アメリカにて海外共同研究者と、その2つの質問紙について議論を行った。また、日本とアメリカの吃音支援体制についての情報交換を行った。
2: おおむね順調に進展している
2023年にアメリカ渡航に関してビザを取得でき、アメリカで共同研究者と吃音症の支援について情報交換を行うことができた。この研究の成果を、論文作成し、英文投稿し、査読中である。
今度は海外の英文雑誌に受理できるように、海外共同研究者と連携を続けていく。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Pediatr Int.
巻: 65 ページ: e15622
10.1111/ped.15622