TNBCは治療標的となる因子を発現する場合が少なく、さらなる有効な治療薬の創出が必要とされている。リン酸化YB-1阻害薬はTNBC腫瘍内の腫瘍促進的(M2)マクロファージのERαを誘導した。さらに、腹腔内マクロファージからの分化実験では、YB-1リン酸化標的薬はM2マクロファージのERα発現を誘導し、ERα標的薬はM2マクロファージの生存を抑制した。以上より、リン酸化YB-1標的薬は癌細胞だけでなくM2マクロファージのERα発現に関わり、両者のERαを標的とすることでERα標的薬の抗腫瘍活性を増強していると考えられる。本研究の成果が、TNBC治療の発展に貢献できることを期待している。
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