研究課題/領域番号 |
21KK0286
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 利恵 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(保), 准教授 (40361985)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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キーワード | 仮想臨床試験 / Virtual Clinical Trial / 医療機器開発 / 画像診断 / コンピュータシミュレーション |
研究実績の概要 |
医療機器開発には長い時間を要する。これは提案手法の有用性・優位性を証明するために、多くの症例データを必要とするためである。そこで本国際共同研究では、基課題で取り組んでいる「深層学習による画像情報を主軸にした肺機能診断法」の開発に、コンピュータシミュレーションによる仮想臨床試験(Virtual clinical trial:VCT)を並走させることで、基課題の加速化をはかる。研究目的を達成するため、仮想人体の設計と疾患モデルの作成、それらを対象とした仮想空間での医療機器の性能評価や各種パラメータの最適化に挑む。本国際共同研究では、デューク大学のDr.Sameiらが開発した仮想人体生成プログラムならびに申請者らの実臨床データを用いて、仮想人体の設計とそのシミュレーション画像の生成(STEP1~2)、基課題で構築中の深層ネットワークモデルの学習・評価(STEP3)、仮想臨床試験の実施(STEP4)、学習済みモデルの実臨床データへの適用(STEP5)と研究を進めていく。 2022年度は、仮想臨床試験を実施するための準備として、日本国内にてSTEP1に取り組んだ。具体的には、デューク大学で開発された仮想人体生成プログラムに、体型・年齢・性別・肺機能・心機能など属性・臓器形状・生体機能を決める数十個の可変パラメータを設定することで、様々な肺機能(正常、閉塞性換気障害、拘束性換気障害、混合性換気障害)を有する仮想人体を設計した。可変パラメータの設定に必要な情報は、基課題で対象としている呼吸器疾患症例(n=700)の臨床データ(胸部CT画像、胸部X線動画像、精密呼吸機能検査)から統計的手法により得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮想臨床試験による医療機器開発を実施するには、仮想人体をシミュレーションする技術と、仮想人体のX線画像やCT画像をシミュレーションする技術が必要となる。本国際共同研究では、海外共同研究者からこれらの2つのシミュレーション技術の提供を受け、研究代表者が仮想人体を設計する部分を担当し、基課題を対象とした仮想臨床試験を実施する計画である。現在まで日本国内にて、Zoom会議やメールにて連携をはかりながら、仮想人体の設計(STEP1)に取り組んだ。また、2023年2月に米国サンディエゴで開催されたSPIE medical Imaging2023(国際光工学会議)の会場にて、海外共同研究者(Dr.Sameiら)と研究ミーティングを実施し、進捗状況の共有と今後の打ち合わせを行った。今後、STEP2以降に取り組む計画である。おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
各種シミュレーション技術は健常者の4次元CTや疑似動態MRIをもとに開発されているため、疾患モデルの仮想人体を設計するには、プログラム修正ならびに機能拡張が必要となる。そこで、研究代表者らが疾患モデルの設計に必要な情報を提供し,これらを現行の「仮想人体生成プログラム」に実装することで、仮想人体の洗練化・汎用性の向上をはかる。今後、仮想人体のシミュレーション画像の生成(STEP2)、基課題で構築中の深層ネットワークモデルの学習・評価(STEP3)、仮想臨床試験の実施(STEP4)、学習済みモデルの実臨床データへの適用(STEP5)と研究を進めていく。
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