研究課題
急性脳主幹動脈閉塞は、多くが重症脳梗塞で発症するが、再開通を得ることで症状および予後が改善する。静注血栓溶解療法に加え、血栓を回収する血管内再開通療法が標準的治療となったが、再開通効果には課題が残る。代表者の基課題の目的は、閉塞部での血栓回収デバイスと血栓との絡み合い(デバイス-血栓相互作用)を術中に把握することで、治療戦略を最適化し、再開通効果を向上させることである。代表者はこれまでに、デバイス-血栓相互作用は血管撮影装置を用いてリアルタイムに把握可能であることを明らかにしてきた。基課題を発展させた本研究では、血栓回収機構の3要素(デバイス、血栓、血管)をデータとして捉えて試行実験を行うことで、治療戦略を最適化することを目指した。そのため、高度な実験解析システムを確立している海外研究者と共同研究を行い、飛躍的な研究の加速を行った。多数の血栓回収例から、臨床条件を解析して数値化し、臨床を忠実に再現した疑似血栓と人工血管を含む実験モデルで、最新のデバイスを用いた血栓回収実験を行った。デバイス-血栓-血管相互作用と回収結果を定量化することで、血栓回収効果を予測し、新規治療戦略の構築を試みた。これらの研究成果は、国際学会や国際誌で報告した。
2: おおむね順調に進展している
渡航中の研究は、おおむね順調に進展した。
帰国後、わが国の施設でも、同様の実験研究システムをセットアップし、研究遂行を目指している。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件)
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