研究課題/領域番号 |
21KK0299
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
櫨川 舞 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10509186)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2024
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キーワード | 核酸 / 乳がん / 標的化 / ペプチド / ゼブラフィッシュ |
研究実績の概要 |
核酸医薬は、核酸の特異的作用機序により遺伝子疾患をはじめとする難治性疾患に対する治療効果が期待されている。しかしながら、核酸は生体で不安定かつ細胞透過性が低いため、実用化は困難を極める。そこで、これまでに様々なドラッグデリバリー技術が駆使されてきたが、現在の市販品はいまだ不十分な品目数である。そのため、国際共同研究によって、核酸医薬開発を加速し、新規薬物キャリアの創製に限らず、生体評価系の効率化を図る必要がある。そこで、本研究では、基課題を国際共同研究により発展させ、選択的細胞標的型の核酸キャリアの創製目的とし、ゼブラフィッシュ病態モデルで血液循環からの生体への分布・動態解析を合わせて評価することを特徴とする実験系を用い、オランダに滞在して国際的創薬基盤を構築することを目指す。 2023年度は、2022年9月からの滞在に引き続き4-8月に蘭ライデン大学、9月以降は福岡大学にて本課題について継続して実験を行った。本年度は、トリプルネガティブ乳がん移植モデルゼブラフィッシュを作製し、製剤の体内分布、がん集積性、抗腫瘍効果について検証することを目的とし、蛍光標識したペプチドおよび核酸を用いて静脈投与後にがん細胞選択的に製剤が集積していること、製剤化によって核酸の血中滞留性が向上していることを確認した。さらには病態モデルの生存期間延長効果も示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に示した通り、当初の研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行し、研究成果を公開することができたから。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度、2023年度の研究結果を踏まえ、2024年度も引き続き、研究実施計画に従って研究を進める。本年度は、ゼブラフィッシュ腫瘍モデルを用いて明らかになった結果がマウスで再現性が確認できるかについて検討する。すでにマウスゼノグラフモデルを用いた実験を行う準備は整っており、魚類からげっ歯類への治療効果の検証ステージアップを目指す。
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