研究課題/領域番号 |
22000001
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研究機関 | 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構 |
研究代表者 |
高山 憲之 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 研究主幹 (30102940)
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研究分担者 |
鈴村 興太郎 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 客員研究員 (00017550)
青木 玲子 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 客員研究員 (10361841)
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キーワード | 世代間 / 年金 / 雇用 / 医療 / 子育て支援 / 政府債務 / イノベーション / パネルデータ |
研究概要 |
1.くらしと仕事に関するパイロット調査(LOSEF)を実施し、日本では、初職が非正規の場合、その後における正規への再就職は年々厳しくなっており、65歳以降の年金受給見込額も低くなるおそれが強いこと、現在、30歳代半ばの男性正規労働者の生涯賃金が親の世代より実質で2~3割低下するおそれがあること、などを明らかにした。 2.無限視野の世代効用流列を評価する論脈において、アロー流の社会的選択理論を完結させ、一般不可能性定理を確立した。 3.人材と技術の世代交代の観点から科学技術について分析し、政策を提言した。 4.正規および非正規雇用における労働時間配分(深夜労働等)、インターネットが就業に及ぼす影響、無業者の就業希望等の規定要因を実証分析した。 5.釜石市と福井県を実地調査し、地域における雇用の復興や確保などについて考察した。 6.日本の1歳から5歳未満の子どもの死亡率が他の年齢階層と比べて特異的に高い理由は、子どもの救急医療の不足、とくに週末夜間の2次救急医療が不足していることにあることを明らかにした。 7.戦後の公的年金改革が高齢者の就業行動にどのような影響を及ぼしてきたかを社会保障資産等を用いて推計した。さらに、日本における高齢者就業と健康、障害年金受給の関係を分析した。加えて、能力・所得格差の世代間継承に及ぼす教育支援の影響や世代間交渉による政策選択の可能性を検討した。 8.社会保障を含む財政支出と租税負担・社会保険料負担が世代間でどのような差異を生じさせるかを分析し、現状より対GDP比で10%程度多く政府収入が得られれば、財政の持続可能性が担保できることを示した。 9.米国のNLSYデータを使って親子間における非認知能力の相関を実証的に明らかにし、さらに親子間スキルの多次元ベクター相関を実証分析した。 10.子どものウェル・ビーイングについて学力や健康度、友達・親との関係、疎外感等に着目し、社会経済階層別の格差を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ねんきん定期便を利用したアンケート調査(LOSEFパイロット調査の1つであり、30~59歳層の男女、約6000人の回答者を得た)を実施し、最長で45年間分のパネルデータを一挙に入手した。このデータは、これまでの日本にはない、また世界でも極めて稀有のものであり、このようなデータの一挙入手は当初の計画にはなかったものである。そして、パネルデータを用いて既に分析を開始している。さらに、医療と介護に関する国際会議を1年前倒しで実施するなど、研究は当初の計画以上に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画を基本的なベースとして、今後についても研究を推進していく。計画の変更や研究を遂行する上での大きな問題点は特にない。
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