研究課題
任意のシリコン表面上に、ゲート絶縁膜とシリコンの界面が原子オーダで平坦になされた3次元立体構造MOSトランジスタを製造するプロセス技術を創出して、シリコン結晶の有する全性能を駆使することにより、超低消費電力で文字通り超高速動作するバランスドCMOSシリコン集積回路(LSI)を創出することが本研究の目的である。平成22年度は、Si表面の原子オーダ平坦化の実現に必要な熱処理温度を800℃程度の温度まで低温化することに成功し、従来の高温処理ではきわめて困難であったLSI製造への適応化が容易になった。また、従来の熱酸化に比べラジカル酸化で形成した酸化膜は非常に高い信頼性を有するが、測定サンプルの面積が4mm×4mmと大きくなると著しく信頼性が劣化することが明らかとなった。しかし、本研究で実現した原子オーダ平坦Si表面とラジカル酸化を組み合わせることにより、測定サンプルの面積を4mm×4mmと大きくしても全く電気的特性がばらつかなくなり、さらなる信頼性の向上を実現した。さらに、従来の極めて厳しい汚染とダメージを与えるイオン注入プロセスに替えて、915MHz金属表面波励起高密度プラズマ装置を応用したダメージフリーのプラズマイオン注入装置を新たに導入した。平成22年度は、同装置を用いたイオン注入条件をシミュレーションと合わせて最適化を行った。イオン注入ではBF3ガスやPF3ガスを導入したプラズマを用いるが、従来のプラズマ装置では全く不可能であったフッ素100%の雰囲気でも、安定なプラズマを維持できることを確認した。
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