研究課題/領域番号 |
22000010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 名誉教授 (20016463)
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研究分担者 |
平山 昌樹 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (70250701)
後藤 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (00359556)
諏訪 智之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (70431541)
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研究期間 (年度) |
2010-04-21 – 2015-03-31
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キーワード | MOSトランジスタ / シリコン表面平坦化 / プラズマプロセス |
研究概要 |
任意のシリコン表面上に、ゲート絶縁膜とシリコンの界面が原子オーダで平坦になされた3次元立体構造MOSトランジスタを製造するプロセス技術を創出して、シリコン結晶の有する全性能を駆使することにより、超低消費電力で文字通り超高速動作するバランスドCMOSシリコン集積回路(LSI)を創出することが本研究の目的である。申請者はこれまでに、ウルトラクリーン技術を導入した熱処理炉を用いてSi基板を超高純度Ar雰囲気中800℃以上で熱処理することにより、Si(100)表面の原子オーダ平坦化に成功している。(100)面では原子オーダで平坦化された高純度Ar雰囲気中の熱処理において、Si(551)表面に対しては、平坦化温度を低温にしていくに従い、表面平坦性が向上し、超高純度Ar雰囲気中600℃の熱処理において、平均表面粗さRaが0.04㎚以下まで平坦化されることを見出した。この結果から、Si(551)表面はSi(100)表面と比較し、より低温でシリコン表面の平坦化が進行し易いことが示唆されたため、本年度はプラズマを用いてシリコン表面を活性化させることによるシリコン表面の平坦化の実現を試みた。マイクロ波励起高密度プラズマ装置を用いて、Xe/H2プラズマによるシリコン表面の平坦化を行った結果、H2濃度が10%、プロセス圧力が266Paにおいて、Si(100)表面が平均粗さで0.039㎚まで平坦化された。さらに同条件において、Si(551)表面は平均粗さで0.068㎚まで平坦化されたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するには、1)従来の(100)シリコン表面に替わり(551)シリコン表面を使用すること、2)3次元立体構造のMOSトランジスタを創出すること、3)3次元立体構造を構成するシリコン表面すなわち(100)シリコン表面と(551)シリコン表面を原子オーダで平坦にすること、これら3つの技術を開発する必要がある。 現在までに、上記開発課題1)については従来の(100)シリコン表面に形成されたMOSトランジスタに比べて(551)シリコン表面に形成されたMOSトランジスタは微細化に依らず性能が向上することを実証した。さらに、上記開発課題3)については、Xe/H2プラズマ処理により、(100)シリコン表面、(551)シリコン表面ともに平坦化されることを実証した。また、上記開発課題2)については、3次元立体構造MOSトランジスタを構成するnMOSおよびpMOSの上面および側壁面の高さから得られるゲート長の最適化まで終了している。 これらの実験結果から、当初の研究計画に沿つて研究が進んでいると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度から引き続き、915㎒金属表面波励起ダメージフリー高密度プラズマ装置を用いたXe/H2プラズマによるラジカル反応ベースの平坦化技術の開発を進め、表面および側壁面が使われるため、3次元立体構造のシリコン表面に対してプラズマ平坦化技術を応用し、Si(100)表面とSi(551)表面を含む3次元立体構造のデバイスレベルで平坦性、およびその電気的特性を評価する。また、ダメージフリープラズマイオン注入を用いたMOSトランジスタの作製とその効果の検証について引き続き行う。さらに、任意の面方位のシリコン表面において、原子オーダで平坦なゲート絶縁膜/Si界面を有し、ダメージフリーイオン注入プロセスを用いて作製されたMOSデバイスの電気的特性と電気的信頼性が劇的に向上すること、およびそれらのばらつきが劇的に低減することを検証する。
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