研究課題/領域番号 |
22000011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70158947)
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研究分担者 |
竹中 充 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20451792)
坂下 満男 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30225792)
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
竹内 和歌奈 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90569386)
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キーワード | CMOS / ゲルマニウム / スズ / 歪 / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
シリコン超超大規模集積化回路の持続的発展に向けたCMOSの電流駆動力向上に必須となる、高移動度チャネル技術創成のためのひずみゲルマニウム系新規材料開発およびその電子物性設計指針の構築を目指している。平成23年度を中心に得られた主な成果を下記に記す。 (1)InP基板の使用と低温成長によって、従来の固溶限界を10倍以上超える最大27%と高いSn組成を有するGe1-xSnx層の形成に成功した。直接遷移型挟ギャップGe1-xSnx層として、高電子移動度チャネル、光学デバイス応用に期待できる。(2)SOI基板上に形成したGe1-xSnx層への400℃の低温熱処理により、モザイシティのない高結晶品質を有するGe1-x-ySixSny層の形成に成功した。(3)0.1%程度のSn導入と水素雰囲気中熱処理によって、低温成長したGeエピタキシャル層中の正孔濃度が1E16cm-3台と評価され、Snを導入しない非熱処理の場合と比較して、意図しない正孔の生成密度2桁低減することに成功した。(4)通常のSOI上での酸化濃縮結果と比較して、歪SOI基板を用いて酸化濃縮によって形成したGe-on-Insulator層は、得られる最大歪量が増大することがわかった。酸化濃縮で作製した歪SiGe-on-Insulator基板を用いたpMOSFETにおいて、より大きな残留歪を有するSiGe層の形成に成功し、歪SOI基板に比較して最大7倍程度の正孔向上率を実現した。(5)ナノビーム電子回折法を用いた高精度歪み解析法を開発した。電子顕微鏡レンズの歪みを考慮して高次ラウエ帯反射を使うことにより、入射方向に垂直な格子面間隔をHOLZ線解析と同程度の精度で計測でき、界面近傍の格子歪みの高精度計測が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画である高Sn組成GeSnの形成やキャリア物性評価、またナノ領域のひずみ評価は順調に進行している。最終目標であるキャリア移動度向上の実証に向けた各種プロセス技術の構築も順調に進められた。
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今後の研究の推進方策 |
MOSFETのキャリ移動度向上の実証に向けたキャリア移動度評価などを推進する。また、デバイス特性改善に向けた結晶欠陥密度の低減技術やキャリア密度制御、MOS界面構造制御になどに関するプロセス、材料開発を推進する。
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